ケニアにおける外国人誘拐事案(ソマリアにおけるイタリア人被害者の解放にかかる注意喚起)

● 報道によれば、 2018年11月に沿岸部マリンディ近郊で武装グループに誘拐されたとされるNGO活動家のイタリア人女性が、今般、1年半ぶりに解放されました。

(関連報道)

https://www.standardmedia.co.ke/article/2001370706/italian-aid-worker-kidnapped-in-2018-freed

● 外国人がケニア国内からソマリアに拉致された本件事案に加え、2019年4月には、北東部マンデラ郡においてキューバ人医師2名が襲撃される事件が発生し、その後ソマリア領内に拉致されたとされていますが、いまだ未解決のままとなっています。

● 過去には、2011年頃に沿岸部ラム郡において外国人観光客等が誘拐される事件が散発した経緯がある他、邦人被害については、2008年にソマリアに隣接するエチオピア領内において医療活動に従事していた医師が拉致され、ソマリアにおいて身柄を長期間に渡り拘束された事案も発生しています。

● 今次のイタリア人女性の解放に至った詳細については明らかにされていませんが、ソマリア連邦政府の治安維持能力には限界があり、問題の解決をソマリア当局に期待出来ません。また、一般的に、誘拐事件が一旦発生すると、解放への交渉が難航するうえ、非常に長期化する傾向にあります。加えて、被害者が殺害される等最悪の結果となる可能性も低くありません。

● ケニア国内においても、現下の新型コロナウイルスを巡る社会不安に乗じて、今後、武装グループによる無差別テロや身代金要求等の目的で外国人を標的とした誘拐事件が発生する可能性が否定できません。

● 在留邦人の皆様におかれては、この機会に、テロに加えて誘拐事件に対する警戒についても意識を高めていただきますようお願いします。

【警備対策官からのアドバイス

 「自分と家族の安全は自分で守る」、「予防が最良の危機管理である」という心構えで、以下の「安全のための三原則」を守っていただくことが危険を避けることに役立ちます。

1 目立たない

 犯罪者やテロリストは目立つ人物を標的として選ぶ傾向にあります。渡航先・滞在先において必要以上に華美な服装や宝飾品を身につける、目立つ車に乗る、公共の場において大声で会話をする、今後の予定や現在の居場所についてSNSに書き込む、渡航先の政治・文化・宗教等に関する批判をすることなどは、目立つのみならず、積極的に標的とされる可能性を高めますので、避けてください。

2 行動を予知されない

 行動パターンが決まっているターゲットは、先回りができるので襲撃の計画が立てやすい対象と言えます。通勤・通学・買い物など外出する際のルートや時間をワン・パターン化することは、狙われる危険性を高めることにつながります。できるだけ移動のルートや時間などをランダムにすることで、自分の行動を予知されないようにすることが重要です。また訪問先によっては、警備を強化するなどの方法を検討して下さい。

3 用心を怠らない

 現地に到着したばかりの頃は安全対策に気を配っていても、生活に慣れてくると最初の頃に意識していた注意事項がおろそかになる場合があります。また、現地の治安情勢は様々な要因で大きく変化します。普段から日常的に関連情報の収集を行いながら、安全対策を定期的に見直す機会を作ることが重要です。

【大使館からのお知らせ】

※ 在ケニア日本国大使館領事警備班では、大使館からの情報をいち早く入手していただくため、「緊急情報配信用ツイッター」を開設しています。是非この機会にフォローして下さい。以下のURLから簡単にアクセス出来ます。

https://twitter.com/JapanEmbKE_EMR

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令和2年5月11日

ケニア日本国大使館

電話:020−2898−000(24h対応)

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