医務官取りまとめの南アの医療状況（その４）

●在南アフリカ日本国大使館は，同館に在職する医務官（日本の医療資格を有した館員）の取りまとめとして，以下のメールを発信しましたので，西ケープ州在住の皆様にも転送いたします。

【以下，大使館からのメール】

●当館医務官から南アの医療状況をとりまとめましたので、感染予防に努めてください（4月21日付，南アの医療情報の続報）。

１．90人近い院内感染が発生したサントン地区のMediclinic Morningsideですが，今週に入り，救急外来・救急の入院は受け付けております。予定入院・予定手術に関しても近々通常通り再開する予定です。各専門医の外来に関しては，今後個別に問い合わせる必要があります。この周辺地域の皆様に関しては，代替の病院として，Netcare Sunninghill Hospital (Sunninghill), Netcare Milpark Hospital (Parktown), そしてセンチュリオンにありますNetcare Unitas Hospitalが推奨されます。各病院の詳しい情報は，大使館ＨＰの「医療情報」をご参照下さい。https://www.za.emb-japan.go.jp/files/000445056.pdf

２．保健省は先日病床の利用状況等について，25日時点で総感染者数4361人のうち，317人が入院中であり，内訳として175人が公立病院，142人が私立病院に入院中と発表しました。またICUの利用者数は国内で42人，人工呼吸器の使用は27人となっており，現時点ではまだ医療施設に余裕はある状況です。1日の検査数は現在も増加中であり，政府は1日約30,000件を目指して今後も増やしていく方針です。それに伴い感染者数も増加することが予測されますが，このレベル5の厳しいロックダウン期間中にこのような状況も見越して各州で隔離施設・仮設病院の建設，病院の病床数拡大などが進んでおります。全国で23,604床の検疫用病床のうち，25日時点で37.42%が稼働しております。

３．現在世界中でCOVID-19の治療薬，ワクチンの臨床試験が行われております。南アでは，WHO主導の「Solidarity」という臨床試験がもうじき開始されます。これはエボラウイルスの治療薬，HIVの治療薬，インターフェロン，マラリアの治療薬などを使用した臨床試験になり，各州の公立病院（アカデミックホスピタル）にて実施されます。

４．全国の感染流行地「HOTSPOT」もMunicipality単位で先日公表されました。人口10万人あたりの陽性者数が１〜10人のところを最もリスクが高い場所と位置づけ，下記の通り発表しております。

ハウテン州：City of Johannesburg Metropolitan Municipality

ハウテン州：Ekurhuleni Metropolitan Municipality

西ケープ州：City of Cape Town Metropolitan Municipality

東ケープ州：Buffalo City Metropolitan Municipality

フリーステート：Mangaung Metropolitan Municipality

クワズールー・ナタール州：eThekwini Metropolitan Municipality

多くの邦人の居住区である，人口の多い大都市においての感染が増えております。今後ロックダウン緩和とともに感染者数が更に増えることが予想されますので，よりいっそうの感染予防にお努め下さい。

【南アの情報ツール】

一般的なCOVID-19 の情報はWhat’s App サポートライン（0600123456）で簡便に入手することができます。これに加え，下記のサイトでは日々の感染者数の更新や南ア政府の感染対策に関する情報も入手できます。

・NICD(国立感染症研究所)

https://www.nicd.ac.za/