新型コロナウイルス感染新規症例の発生(28日)

ベルギーにお住まいの皆様,及びたびレジ登録者の皆様へ

1 本28日,ベルギー公衆衛生省の発表によると,ベルギー国内において新型コロナウイルスの新規症例が新たに647件確認され(フランダース地域:215名,ワロン地域:306名,ブリュッセル:117名,居住地不明:9名)その結果,当地での確定症例数は47,334件となりました。

また,3月15日から4月27日までの間に,10,943名の方が治癒して退院(過去24時間中の退院者は65名)しました。

死亡者数は以下のとおりです。

(1)過去24時間の合計:134名(病院における死亡者67名,老人ホームにおける死亡者64名)

(2)これまでの合計:7,331名(内訳:病院における死亡者3,350名,老人ホーム等における死亡者3,890名(確定症例460名(12%),疑い例3,430名(88%))、自宅23名,その他の場所26名,不明42名)

27日現在,病院のベッドについて,3,976名の感染者(過去24時間で8名増加)が利用しており,そのうち876名が集中治療室(過去24時間で27名減少),566名が人工呼吸器を利用している状況です。

27日の感染検査実施数は6,162件,検査実施総数は220,200件(内,老人ホームは84,635件)です。

(参考アドレス:ベルギー公衆衛生省新型コロナウイルス特設ページ(仏語))

https://www.info-coronavirus.be/fr/news/chiffre-des-nouvelles-hospitalisations-va-dans-le-bon-sens/

(参考アドレス:ベルギー国立公衆衛生研究所関連ページ)

https://epidemio.wiv-isp.be/ID/Pages/2019-nCoV_epidemiological_situation.aspx

2 なお,本日の記者会見で発表された内容のポイントは以下のとおりです。

(1)統計数値,特に入院者数と集中治療室病床数に関しては傾向として良い方向に向かいつつある。国内の病院のリソースに関し良い条件の下で,可能な限り早急に措置解除を開始することが重要。しかし,措置解除の開始後,コロナのリスクは全員にとって同じではないことを忘れてはならない。特に65歳以上の者や,肥満症,高血圧,血管障害等の病気を抱えている人が,コロナの影響をより受けやすいことを我々は既に承知している。これらのカテゴリーに当てはまる人も当てはまらない人も,自己及び他者を防御し続けなければならない。

(2)数値が改善しているため,来週月曜以降の措置の一部の解除への段階的移行を計画することが可能となる。他方,仮に今後,感染のカーブがより下がったとしても,残念ながら今後数か月でウイルスが死滅することはない。我々は,社会にウィルスが存在したまま,現在のような状況の中で,ウィルスと共存することを学ばなければならない。

(3)(男性の方が女性よりもコロナによる死者が多い一方で,感染者の63%が女性である,性別は重要な要素かとの問いに対し)大部分の感染症において性別は重要な要素であり,男性は女性よりも死亡率が高く,症状悪化や後遺症が残る症例もより多い。これはホルモンと遺伝子の2つの要因に起因する。性染色体に関し,女性はX染色体,男性はY染色体を有するが,この遺伝子上の差異のため,大部分の感染症に対し,遺伝子的に,男性は女性ほど抵抗することができない。この点が,女性の感染者の割合が高いにも拘わらず男性の死者数の方が多い理由を説明している。

(4)(綿・毛・絹製のマスクの効用が再び問題にされているがどのような見解かとの問いに対し)布マスク使用の主な目的は,我々皆が話したり,歌ったり,叫んだり,咳をしたりする際に排出する飛沫から,周囲の人々を防御することであるのをまず理解しなければならない。重要なのは,比較的大きな飛沫の拡散を止めることであり,付随的に小さな飛沫を止めることも可能だが,小さな飛沫に関しては布マスクによる保護は主な要素ではない。また,着用に関してバランスを取ることも必要。マスク着用の習慣のない人も今後,移動の際や,店・公共交通機関等で着用することになるが,息苦しくなったり,邪魔に感じたり,ずれたり外れたりすることがないようにするのが大事。

こうした文脈において,また,マスクを洗うことに関しても,マスクの素材が重要となる。マスクは60℃で定期的に洗い,時にはアイロンをかける必要があるが,例えば毛製のマスクは60℃では洗えないため,良い素材とは言えない。一方,複数の層からなる綿製のマスクは,例えば,3層構造のものや2層の中にフィルターが入っているもの等あるが,これらは通常長持ちし,着用してもアレルギー反応は殆ど起きない。いろいろな素材でのマスク作製は可能だが,綿は確実に選択肢から排除すべきでなく,また,家で作製するには良い素材である。

(5)(治療薬トシリズマブ(Tocilizumab)の効用についてどう考えるかとの問いに対し)トシリズマブは,これまでコロナとは全く異なる文脈で使用されてきた薬であり,インターロイキン-6(IL-6)と呼ばれる重要な炎症作因の一つに対し受容体をブロックする。これらの炎症作因は,人の体調が非常に悪い時,ウィルスに対し過度な反応を示すことがあり,サイトカインと呼ばれる物質の中でも特にIL-6が爆発的に発現することがある。このIL-6を,トシリズマブのようなモノクローナル抗体でブロックすれば,激しい炎症反応をおそらく減弱させ,患者の苦痛を軽減できる可能性があるとして,研究者は希望を見出している。これまで複数の国で研究が行われており,ベルギーでも集中治療室で同治療薬が用いられている。

最近,仏で予備研究が公表されたばかりであり,展望は明るいように思われるが,効用の確証を得るためにはより多くのデータ収集が必要なことは明白。ベルギーでも研究者の関心を集めており,現在研究開発が行われている。

(参考アドレス:ベルギー公衆衛生省記者会見動画)

https://www.info-coronavirus.be/fr/live-pressconferences/

*****************

■■滞在状況アンケート実施中です!お済みでない方はこちらから■■

https://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLSd4oPasoBCBkkcmqqKs0VZek94YyQW0jYpdcr1fSJxL_jYfRA/viewform

*****************

■■領事メールのバックナンバーはこちらから■■

https://www.be.emb-japan.go.jp/itpr_ja/consular_merumaga.html

*****************

■■新型コロナウイルスに関する「風評被害」を受けた方は,こちらまで■■

https://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLSfhpL1ReY0hfydCMksXdJMEzztfC0XsQErx5TDcOaQ8tHr8CA/viewform

*****************

【お問い合わせ先】

在ベルギー日本国大使館

住所:Rue Van Maerlant 1, 1040 Bruxelles, Belgique

電話:(02) 513-2340, 500-0580(領事部)

Fax :(02) 513-4633

ホームページ: http://www.be.emb-japan.go.jp/japanese/index.html

※「たびレジ」簡易登録をされた方でメールの配信を停止したい方は,以下のURLから停止手続きをお願いいたします。

https://www.ezairyu.mofa.go.jp/tabireg/simple/delete