エチオピア非常事態宣言の細則について(仮訳)

【ポイント】 

エチオピア非常事態宣言を受けて発表された同宣言の細則についてお知らせします。

・27項目の禁止事項,18項目の義務があります。

・禁止事項

1集会の禁止,2集会開催許可の付与,3握手の禁止,4州間交通の乗車制限,5市内交通の乗車制限,6私用車,オート力車,自動二輪車の乗車制限,7LRTの乗車制限,8ジブチ鉄道の乗車制限,9刑務所等における面会の禁止,10バーにおけるアルコール提供の禁止,11シーシャ及びカートの営業禁止,12映画館,劇場の営業禁止,13レストラン等の人数制限,14陸の国境通過制限,15国境通過許可の付与,16公的発表の制限,17発表の例外,18家賃の値上げ等の禁止,19雇用契約打切りの禁止,20対面授業の禁止,21ゲームの場所提供の禁止,22スポーツ活動の禁止,23プレイグラウンドの禁止,24ソーシャルディスタンスの規定,25基幹事業等の継続,26輸送業等の継続,27デマ拡散の

禁止

・義務

1入国者の検疫隔離,2検疫隔離の私費負担,3感染者の隔離,4交通機関による感染者の通報,5感染者の通報義務,6公共の場における鼻と口の遮蔽,7マスク等の使用,8顧客への消毒用品の提供,9ソーシャルディスタンスのための印,10適切な情報発信,11手洗い用具の設置,12従業員への便宜,13従業員への交通手段の提供,14弁護人接見,15政府による私有財産の使用,16感染拡大防止製品の製造販売,17レストラン等における消毒,18医療従事者の義務

【本文】

 4月11日,エチオピア政府は非常事態宣言の細則を発表しており,当館からもその一部につきお知らせしておりますが,そのほかの部分を含む全体の主要部分の日本語仮訳について,以下のとおりお知らせいたします。

第1条 標題−省略−

第2条 定義

1 「宣言」−省略−

2 「閣僚委員会」−省略−

3 「集まり」とは,同一家族に属さない4人以上の人数が,共同して何らかの活動,議論を行うため又はそれに類する目的のために,一つの場所に集まることを言う。

4 「検疫隔離」とは,Covid-19に接触又は感染した疑いのある者をウイルス感染の有無が判明するまで隔離することを言う。

5 「隔離」とは,COVID-19陽性であった者を,回復するまでの間,他の者に伝染しないように隔離することを言う。

6 「州間連絡公共交通」とは,同じ州内の2つの町又は別々の州の2つの町を移動する公共交通を言う。

7 「市内公共交通」とは,タクシー(ミニバスを含む),バス及び公務員向けのシャトルバス等の公共交通を言う。

8 「バー」とは,ホテルを除いたアルコール飲料を提供する全ての施設を指す。

9 「社会的な目的」とは,婚姻,葬儀,洗礼,誕生の祝賀,自治会又は類似する催しを言う。

10 「法的機関」とは,州及び連邦警察,検察庁及び裁判所を言う。

11 そのほか宣言内において提示された定義についてもこの規則に適用される。

第3条 禁止される行動

1 礼拝所,公共機関,ホテル,集会所そのほかの場所における,宗教的,行政上,社会的,政治的な目的のための集まりについては,これを禁止する。

2 1項の規定にかかわらず,やむを得ない理由がある場合,連邦,州,自治市及びウォレダ級の閣僚委員会もしくは小委員会が集会の開催の許可を付与する。

3 あいさつやそのほかの目的のために他者と握手することは禁止する。

4 州間連絡公共交通の事業者は,50%超の座席占有率で乗客を運搬してはならない。

5 市内公共交通の事業者は,50%超の乗車率で乗客を運搬してはならない。

6 私用車は運転手を除き,50%超の座席占有率で乗客を運搬してはならない。また,オート力車及び馬車は一人を超える乗客を乗せてはならない。自動二輪車については運転者以外乗車してはならない。

7 アディスアベバ市LRT(市内電車)は,以前の運行時の25%を超える乗車率で乗客を運搬してはならない。

8 エチオピアジブチ鉄道は50%を超える座席占有率で乗客を運搬してはならない。

9 刑務所又は警察署において被留置者と面会することを禁ずる。ただし,警察署に留置されている被疑者への差し入れは,被留置者と物理的接触のない場合禁止されない。

10 ナイトクラブやバーにおいてアルコールや娯楽サービスを提供することを禁ずる。

11 シーシャ(水たばこ)及びカート(チャット)を提供する施設を営業することを禁ずる。

12 映画館,劇場など多人数が集まる場所において娯楽サービスを提供することを禁ずる。

13 ホテル,レストラン及びカフェにおいては,1卓につき3人を超える客に対してサービスを提供することを禁ずる。また,同時に客によって使用されるテーブル同士は少なくとも大人の歩幅で2歩分の距離を確保すること。テーブルなしでのサービスを供する場合には,客同士の間を大人の歩幅で2歩分の距離を確保すること

14 陸の国境検問所を通過して出入国すること及び合法的な乾貨物並びに液体貨物以外の貨物を輸出入することを禁ずる。

15 14項の規定にかかわらず,閣僚委員会はエチオピア人に対し,陸の国境検問所から入国する許可を付与し得る。

16 この目的のため連邦レベルで設立された委員会やこの目的のため連邦政府によって州レベルで設立された小委員会又は同等の州行政機関の許可がなければ,州又は連邦政府職員又は専門家は連邦又は州政府を代表してCOVID-19に関する声明を出すことはできない。

17 16項の禁止事項はCOVID-19に関連して制定された法律に関する職業上の解説,医療に関する職業上の説明または保健省の定例報道発表には適用されない。

18 住居又は商業施設の貸方は,借方の同意なく借方を退去させ,または賃借料を値上げしてはならない。

19 法律1156/2019(労働法)が適用される組織は,厚生労働省の定める手順に従う場合を除き,雇用契約終結してはならない。

20 公立,私立の学校または教育機関は,学校,校内又はそのほかの場所において,対面授業を行うことを禁ずる。

21 公共の場において2人以上の者が参加するゲームを行う施設を他人に提供することを禁ずる。

22 スポーツ競技や団体スポーツ活動に従事することを禁ずる。

23 プレイグラウンドサービスを市民に提供することを禁ずる。

24 銀行,市場,発着所,商店,薬局そのほか公衆にサービスを提供する場所では大人2歩分の歩幅を開けて立つ又は座らなければならない。

25 電気,水,電話事業会社などの基幹事業,医療施設,銀行,食料や消毒薬の供給に関連する企業,消防及び緊急対応,治安及び情報部門について,辞職,業務の遅滞または何らかの方法により施設の機能を阻害することを禁ずる。

26 乾貨物及び液体貨物の輸送,建築,製造及び農業活動を中止し,妨害し又は遅延させることを禁ずる。

27 COVID-19及びそれに関する問題につき,大衆に恐怖や過度な不安を引き起こすような情報を広めることを禁ずる。

第4条 義務

1 COVID-19陽性であると疑われる全ての者及び国外からの乗客は,政府がその用途のために指定した場所において検疫隔離を行い,検査を受けること。

2 国外から入国する乗客は検疫隔離の費用を自己負担すること。支払いできない場合は,政府がその用途のために指定した場所において検疫隔離を行う。

3 COVID-19陽性が検出された全ての者は,隔離施設に滞在する義務を負う。

4 交通機関事業者は,COVID-19に感染したと疑われる乗客について,最寄りの入境検問所または検疫チームに伝えること。

5 何人もCOVID-19への感染が疑われる者について,警察,保健省又は最寄りの保健職員に通知すること。

6 銀行,市場,停車場,公共交通機関内,商店,薬局,公共サービスが提供される場所そのほか多数の人々が集まる公共の場においては,鼻と口を覆うこと。

7 6項の義務は,この目的で製造された覆い,手作りのマスクまたは何かの布を使用することで果たされる。

8 全ての公的及び私的サービス事業者は,ウイルスの拡大防止に有用な消毒用品を提供し,顧客が確実に必要な予防措置を執るようにすること。

9 全ての公的及び私的サービス事業者は,顧客が大人2歩分の歩幅の距離を開けられるように,立ち位置を示す印をつけること。

10 公衆通信事業者及び情報発信者は, COVID-19に関連する情報,分析,番組を公衆に発信する場合,誇張なく,適切で,混乱や恐怖を引き起こさないようにすること。

11 全ての連邦,州の公的又は私的組織は,様々な手段を用いて,従業員がCOVID-19に関する情報を入手できるようにし,少なくとも手洗い用の水や石けんを入口に用意し,そのほか可能な範囲でウイルスの拡散を防ぐために有用な装備を提供すること。

12 全ての連邦,州の公的又は私的組織は,同一の部屋や場所で稼働する又は共通の交通手段を使用している従業員が,ソーシャルディスタンスを維持することが不可能な状態を強制されないようにするとともに,その目的達成のために従業員が交代制勤務,自宅勤務,有給休暇取得をできるようにすること。

13 労働法1156/2019に基づき従業員を管理する全ての連邦,州の公的又は私的組織は,必要な場合,従業員のために適切な交通手段を提供すること。

14 警察庁及び刑務所の管理者は,被疑者と弁護人が面会できるようにすること。

15 家屋,ホテル,アパート,乗り物やそのほかの私有財産の所有者は,閣僚委員会や委員会が決定した業務を代表する機関が,COVID-19対策,拡大防止及びその被害の沈静化のため必要とする場合,その私有財産が所有者の日々使用するものでない限り,政府が使用可能とすること。

16 全てのサービス提供者又は製造業者は,COVID-19の拡大への対策,抑制又は被害の沈静化に向け必要となる全ての製品につき,サービスを提供・拡大し,新しい製品を製造し,生産性を上げ,合理的な価格で,政府,協同組合や消費者組合に販売するため,閣僚委員会や業務を委任された機関の指示に従う。

17 ホテル,レストラン及び喫茶店は客に水と石けんを提供し,客が手を洗い,必要な消毒予防措置を行ったことを確認するとともに,客によって使用されたテーブル,椅子そのほかの用品を殺菌すること。

18 全ての医療業務従事者,退職者,研修者は,COVID-19の拡大への対策,抑制または被害の沈静化のため,政府の発出する要請に従う義務を有する。

第5条 閣僚委員会の設立,権限及び責任−省略−

第6条 雑則−省略−

第7条 命令発出権者−省略−

第8条 発効日

この規則は,4月11日に効力を発する。この規則は閣僚評議会が承認した日以降,本宣言が効力を持つ期間中有効となる。

 以上

                            

【在エチオピア日本国大使館】

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