新型コロナウイルス感染新規症例の発生(8日)

ベルギーにお住まいの皆様,及びたびレジ登録者の皆様へ

1 本8日,ベルギー公衆衛生省の発表によると,ベルギー国内において新型コロナウイルスの新規症例が新たに1,209件確認され(フランダース地域:544名,ワロン地域:548名,ブリュッセル:101名,居住地不明:16件)その結果,当地での確定症例数は23,403件となりました。

また,3月15日から4月7日までの間に,4,681名の方が治癒して退院(過去24時間中の退院者は524名)している一方,この24時間で新たに205名の方の死亡が確認され,死亡者の合計は2,240名となりました。

6日現在,病院のベッドについて,5,688名の感染者(過去24時間中の入院者は487名)が利用しており,そのうち1,276名が集中治療室(占有率は全体の56%),人工呼吸器は1,008名が利用している状況です。

(参考アドレス:ベルギー公衆衛生省新型コロナウイルス特設ページ(仏語))

https://www.info-coronavirus.be/fr/news/1209-nouvelles-infections-au-covid-19/

(参考アドレス:ベルギー国立公衆衛生研究所関連ページ)

https://epidemio.wiv-isp.be/ID/Pages/2019-nCoV_epidemiological_situation.aspx

2 なお,本日の記者会見で発表された内容のポイントは以下のとおりです。

(1)コロナ感染はピークまたはカーブが横ばいに近づいていると見られ,数日以内に判明すると考えられる。入院者数が初めて減少に転じたのは良い兆候。

(2)天候(快晴・温度上昇)の影響:他の呼吸器感染症に関しては,天候が良くなると,ウィルス伝染の鈍化やウィルスの生存率低下など肯定的な効果が見られるが,コロナに関しては,天候の肯定的影響が見られると推定できるほどの数字上の変化はまだ見られない。今後効果が見られると思われるが,天候だけに頼るのは十分でなく,一連の措置を継続することが重要。

(3)(コロナの症状を悪化させる要因として,これまで喫煙や肥満症が挙げられていたが,他にあるかとの記者の質問に対し,)高齢者のみならず,他の健康上の問題を抱えている人(心臓,肺,腎臓,高血圧等)は,コロナの影響を受けやすい。現在,この件に関する最初の研究が行われている最中であり,結果が待たれる。

(4)老人ホームでの入居者・職員対象の感染検査実施の有効性について,現在,体系的な検査実施を既に開始しており,パイロット段階でデータを収集している最中。ウィルス感染が拡大する状況を理解し,老人ホームへの影響を見るために,検査実施は有効と考える。より多くのデータが集まれば,状況をより理解でき,より良い対応が可能になる。

(5)(ベルギー国内死亡率の指標への影響は既に数値上で見られるかとの記者の問いに対し,)国内死亡率に関しては既に長年のデータの蓄積がある。今回重要となるのは,中でも特に超過死亡率の指標であるが,通常,数値上で変化が見られるまでに3週間から1か月の遅れが生じる。今後,数週間以内に判明するとみられる。

(6)感染検査の種類と州・地域毎の検査数の差については,現在行われているのはPCR検査で,1日あたり4000件近く実施。各地域の人口数や老人ホーム数に基づき,(不公平とならないよう)同じ割合で実施しており,地域間での差はない。老人ホームでは20000件の同検査実施を予定。

(7)感染検査で陰性だった若者が死亡した仏のケースは,殆どの感染者は,ウィルスが鼻や咽頭部に付着した状態。検査をしても,鼻や咽頭部にウィルスがほとんどあるいは全く見られないケースがある。検査の性能自体は良いものだが,各検査法には限界があり,ウィルスの量が少ない場合,陰性と判断されることもある。ウィルスが肺にまで達し,重篤となるケースもあるが,重篤者にはCT検査など他の検査を追加で実施している。

(8)ウィルス保有の平均潜伏期間は人によって異なるが,症状のない人は7〜10日間で,この期間を過ぎれば他人を感染させることはないと考えられる。症状の重い人は,免疫が弱まっており,潜伏期間が2〜3週間かそれ以上の場合もある。

(9)血漿(プラスマ)療法は,治癒者の抗体を集めて他の重篤患者の治療に用いる方法。既に数十年間行われており有効な治療法と認められている。コロナに関しては有効性はまだ不明だが,現在研究が行われている。

(参考アドレス:ベルギー公衆衛生省による記者会見動画)

https://www.info-coronavirus.be/nl/live-pressconferences/

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