【緊急】メキシコにおける新型コロナウイルス対策―第2フェーズへの移行(メキシコ政府発表)

【3月24日,大統領定例記者会見において,ロペス=ガテル保健省次官は,国内の新型コロナウイルス感染症の感染状況が,第2フェーズへと移行した旨公表するとともに,「健全な距離の維持キャンペーン」の措置を一層強化する必要がある旨発表しました。】

1 3月24日,大統領定例記者会見において,ロペス=ガテル保健省次官は,国内の新型コロナウイルス感染症の感染況が,第2フェーズへと移行した旨発表するとともに,「健全な距離の維持キャンペーン(Jornada Nacional de Sana Distancia)」の下,以下の措置の一層の励行を推奨すると述べました。

(同記者会見トランスクリプトは,以下リンク参照)

https://www.gob.mx/presidencia/articulos/version-estenografica-de-la-conferencia-de-prensa-matutina-martes-24-de-marzo-de-2020?idiom=es

右に伴い,以下の措置がとられます。

(1)高齢者及び高いリスク(既往症等)を持つ国民の保護

(2)全てのレベルの教育機関の閉鎖(3月23日から4月19日まで適用)

(3)100人以上が集まるイベント・集会の中止

(4)全てのセクターにおける移動を伴う労働の一時停止

(5)予防措置の強化

2 また同次官は,(国境封鎖等の)極端な措置は現時点では必要ない旨述べています。

(1)感染症例数:367名(80%:海外から入国した方々,19%:海外から来た人々と接触があった方々,1%:海外との関係が見られない方々)

(2)累計死亡者数:4名

3 さらに,メキシコ国内には,社会保険庁(IMSS),国家公務員共済庁(ISSSTE),保健省,海軍省及び墨石油公社(PEMEX)を合わせて,新型コロナウイルスのための356の集中治療ユニットがあり,集中治療用病床が2,446床,救急用病床が9,071床用意されているとのことです。また,陸軍及び海軍も医療施設を提供する旨,表明しています。

4 ロペス・オブラドール大統領は,公的機関及び民間企業において,高齢の従業員の有給での自宅待機を許可することを義務づける大統領令へ本日(24日)署名すると述べ,民間セクターに協力を呼びかけました。

5 メキシコ市の発表した新型コロナウイルス対策は次の通りです。

(1)メキシコ市での感染拡大に伴い市政府は,3月23日から4月20日まで以下の措置をとることを決定した。

(ア)博物館,サウナ,ジム,宗教施設におけるミサ及び集会,映画館,劇場,バー,深夜営業を行う飲食店,ディスコ,スポーツ施設,動物園,市政府経営の託児所(CENDIS)及びコミュニティセンター(PILARES)の一時的な閉鎖。

(イ)50名以上の公的及び私的な集まりの禁止。

(ウ)全てのレベルの学校の一時的な閉鎖。

(エ)市政府及び区役所職員の50%減員(給与は保障)。

(2)高齢者や既往症のある人々を保護するため,市民に対し,外出を控えるように呼びかける。軽い症状がある人や感染者と5日以内に接触した人は,感染を広げるのを防ぐために特に外出を控えてほしい。症状があると感じる人は,COVID-19と書いたショートメッセージを番号51515まで送れば,市政府が対応する。

(3)メキシコ市内には,十分な食料及び生活必需品が確保されている。市政府は,スーパーマーケット,ショッピングモールを閉鎖することはないので,買い占めを行わないよう市民に呼びかける。

(4)市政府は数日内に経済政策を発表する予定である。

6 その他の州政府による措置は次の通りです(当地報道,各州政府発表に基づくもの)。

(1)メキシコ州

 23日より,託児所,高齢者向けデイケアセンター,博物館,図書館,映画館,劇場,ショッピングモール,遊園地,動物園,バー,深夜営業を行う飲食店,ディスコ,スポーツ施設,ジム,食料品及び医薬品を扱っていない全ての商店の一時閉鎖を発表。レストランは宅配サービスのみ。また,全ての州民に対し,食料品,医薬品及び生活必需品を購入する場合,及び緊急時に真に必要だと見なされる通勤以外での外出を控えるよう呼びかけた。

(2)ハリスコ州

 20日から25日までの間,州民に不要不急の外出を控えるよう呼びかけた。同州では,3月17日より基礎教育レベルの学校の一時閉鎖,18日よりバー,深夜営業の飲食店,カジノの一時閉鎖を実施。また,4月4日まで宗教施設におけるミサや集会を禁止。

(3)ヌエボ・レオン州

 映画館,バー,カジノ及び深夜営業の飲食店の一時閉鎖を実施。また,州民に対し不要不急の外出を控えるよう呼びかけている。

(4)グアナフアト州

 24日,シヌエグアナファト州知事は,第2フェーズへの移行を受けて州民に対し,1)全ての不要な活動の中止(不要な外出を控える),2)手洗いや周りの人と距離を置く等の感染対策の強化,3)大人数が集まるイベントの中止,4)メトロポリターノ公園やその他の類似した公共施設,及びクラブ,バー,カジノ,映画館,レストランの閉鎖,及び5)食事のサービスは宅配サービスでのみ提供可とする,旨の呼びかけを行いました。

(5)ケレタロ州

 20日より,バー,深夜営業の飲食店,託児所等の屋内・屋外を問わず10人以上が集まることのできる場所の一時閉鎖を実施。24時間営業は,病院,薬局,ガソリンスタンド,ホテル,診療所,アルコール飲料を取り扱わない商店に限り許可。

(6)ユカタン州

 バー,ディスコ,深夜営業の飲食店の営業(20日より適用),映画館,スポーツ施設,ジム(23日より適用)の一時閉鎖を実施。また,全てのカフェ及びレストランの営業時間を午後10時までとするよう決定。

(7)キンタナロー州

 23日,カジノ,バー,ディスコ,映画館,ショッピングモール,宗教施設等の一時閉鎖を呼びかけ。

(8)コリマ州

 18日,州内で最初の感染者が確認されたことを受け,衛生非常事態宣言を発出。

(9)上記の他,プエブラ州,シナロア州,イダルゴ州タバスコ州においてもバー,映画館,ジム等の一時閉鎖を実施している。

7 メキシコ保健省が示す基本的な予防対策等は次のとおりです。

(1)石けんと水で頻繁に手を洗う,又は70%アルコールジェルで消毒する。

(2)咳やくしゃみをする時は(使い捨て)ティッシュペーパー又は肘の内側で鼻と口を覆う(咳エチケット)。

(3)つばや痰を吐かない。必要な場合はティッシュペーパーを用い,そのティッシュペーパーはビニール袋に入れ,袋の口を閉じた上でゴミ箱に捨てる。その後,手を洗う。

(4)汚れた手で顔(特に目,鼻,口)を触らない。

(5)家,職場,閉鎖空間,交通機関,待ち合わせ場所等でおおぜいの人が触れるものはよく消毒し,換気に留意し,日光が当たるようにする。

(6)呼吸器症状がある場合は家に留まり,38℃以上の発熱,頭痛,のどの痛み,鼻水等の症状が認められる場合には医師に相談する。

(7)呼吸器疾患が認められる人との積極はできるだけ避ける。

その他,メキシコ政府が発表している問合わせ窓口は次のとおりです。

(メキシコ政府問合わせ窓口)

・電話:800-0044-800

9 次のサイト等をご参考に,情報収集及び感染予防に努めてください。

(メキシコ保健省関連サイト)

https://www.gob.mx/salud/documentos/nuevo-coronavirus-2019-ncov-comunicado-tecnico-diario

(メキシコ政府の新型コロナウイルス感染症対策ガイドライン

https://www.gob.mx/cms/uploads/attachment/file/533167/Lineamiento_2019_nCoV_2020_02_07.pdf

厚生労働省関連サイト)

https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/newpage_00017.html

(米国CDC関連サイト)

https://www.cdc.gov/coronavirus/2019-ncov/index.html

(メキシコ国家移住庁サイト)

https://www.gob.mx/inm/articulos/el-inm-informa-ante-el-brote-de-coronavirus?idiom=es

首相官邸サイト)

https://www.kantei.go.jp/jp/headline/kansensho/coronavirus.html

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在メキシコ日本国大使館

住所:Paseo de la Reforma No. 243, Torre Mapfre Piso 9, Col. Cuauhtemoc, C.P. 06500 Mexico, Ciudad de Mexico.

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