在留邦人の皆様へ:カザフスタン政府の新型コロナウィルス拡散防止措置(3月20日副首相発表)

 3月20日付けカザフスタン首相府発表によれば,現在当国で執られている新型コロナウイルス拡散防止措置に関するトゥグジャノフ副首相によるオンライン・ブリーフィングが行われたところ,以下のとおりです。

1 カザフスタン首相府でのオンライン・ブリーフィングにおいて,トゥグジャノフ副首相が現在カザフスタン国内で執られている新型コロナウイルスCOVID−19拡散防止に係る措置につき説明を行った。

2 トカエフ大統領の決定により,国内では1か月間の非常事態体制が布かれている。マミン首相の主宰による国家委員会が設置され,3度の会合が開かれた。トゥグジャノフ副首相によれば,政府は現在24時間体制で活動しており,最大1−2日間で具体的な決定が下されている。これらの決定の全ては国民の生命と健康の保護に向けたものである。

3 第一に,18日よりヌルスルタン市及びアルマティ市に検疫が導入された。これは国際的なプラクティスに基づくものである。我々は,『移動が少なければ少ないほど,拡散も少なくなる』とのスローガンの下,ウイルスと闘っている。そのため,ヌルスルタン・アルマティ両市への出入りを制限する決定が下された。本年3月22日00:00より,ヌルスルタン市及びアルマティ市との,航空,鉄道,バスといったあらゆる種類の交通手段による往来が停止される。国民は,この日までは安心してヌルスルタン市及びアルマティ市を訪問したり市外に出ることが出来る。両市からの出口には,医療従事者が当直する移動式チェックポイントが設置され,都市を出る者全員に義務的アンケート調査が行われる。これらの措置は,人々

の状態をモニタリングし,ウイルスを他の地域に拡散させないために行われるものである。

4 第二に,食品を取り扱わない商業・娯楽施設,文化・飲食・サービス施設は一時的に閉鎖される。レストランやカフェは,自宅への宅配という形で営業を続けることが出来る。食品を販売する商店や薬局は従前どおり営業する。トカエフ大統領の指示により,国家機関職員の70%はテレワークに移行した。ヌルスルタン市及びアルマティ市の機関に対しては,その所有形態にかかわらず,テレワークへの移行が勧告された。テレワークで働く者には,不要不急の外出を行わないよう願いたい。この制限措置はヌルスルタン市及びアルマティ市のみに適用される旨強調したい。

 ヌルスルタン市及びアルマティ市以外の全都市の大型商業施設に対しては,以下を勧告する。

・マスクを着用した来訪客のみを入店させる

・マスクがない場合は,来訪者に無料でマスクを提供する

・来訪客全員にコロナウイルス予防の手引きを配布する

・大型商業施設の営業を,衛生措置を強化した上で10:00−18:00に制限する。

 商業施設内では,映画館,子供向け施設及びその他のあらゆる娯楽スペースを閉鎖しなければならない。薬局,商店及び衣料品店は営業するが,衛生処理及び安全確保に係る厳格な措置を遵守する。

・食品を取り扱わない市場の営業は,衛生・感染症対策措置を強化の上,11:00−17:00に制限する。

5 第三に,全地域においてバス停,公共交通機関,通り及び他の社会的に重要な施設の衛生処理及び消毒措置が強化される。

6 第四に,3月16日から4月6日まで生徒は休暇とし,全カレッジ及び高等教育機関は遠隔(通信)授業に移行する。ヌルスルタン市及びアルマティ市の全就学前教育機関は検疫期間中一時的に閉鎖されるが,他の地域においては通常どおり活動する。現在,国内では28%の子供が幼稚園に通っている。

7 国内における食品備蓄及び薬品は十分な量がある。第五に,食品及び必需品は絶え間なく供給される旨確言致したい。政府及び地方行政府により,食品安全確保及び安定化基金充足に向け,320億テンゲ(当館注:約7,110万米ドル)以上が拠出される。ビジネス主体に対して申し上げたいのは,我々は,特に国民の必需品に対する価格が,不当に上昇することを許さないということである。然るべき国家機関により価格変化に対する厳格なモニタリングが行われ,価格のつり上げの事実が明らかになった場合には,最も強硬な制裁措置が適用される。

  現在,国家による食品,衛生用品,常備薬及び必須医薬品の備蓄は十分な量が集まっている。また,現在,カザフスタンの生産企業及び他国の貿易企業との間で,我が国への必需品供給に関する合意がある。カザフスタンにおける食品安全の水準は高く,国内市場の主な品目は国産品が供給されている。輸入品の割合が特に大きいのは,砂糖,鶏肉,塩及びバターのたった4品目である旨申し上げたい。これらの問題に関しては,生産者・貿易企業との具体的合意がある。本件において遅配はあり得ず,またあってはならない。全体として,我々は社会的に重要な製品に関して輸入に依存していない。

8 第六に,非常事態体制下では,法的秩序の破壊を許さないことが重要である。そのため,内務当局は社会秩序保護及び国民の安全確保に係る管理を強化する。

9 第七に,企業支援を目的として,特定カテゴリーの中小企業(商業娯楽施設,映画館,展示会場)に対して,資産税の一時的免税,税滞納に係る罰金の停止といった一連の優遇税制が策定された。また,一般税制の下で活動する企業(約7万社)の個人所得税の10%が年末まで免税とするよう提案されている。これら全ての措置により,財政状況の悪化した企業への支援が可能となる。

10 第八に,イェルバスの国民への呼びかけに基づき,政府は労働者の権利の遵守に特に注意を払う。現状で極めて重要な課題は,現在の雇用の数を維持するのみならず,新たに43万1,000の雇用を創出することである。そのため,政府は就業ロードマップを策定し,その実現に3,000億テンゲ(当館注:約6.7億米ドル)の拠出を見込んでいる。同プログラムにより,雇用を確保し,社会的施設や住宅公共事業施設の再建や補修といった,地方における最も焦眉のインフラ問題を解決することが可能となる。企業幹部及びビジネス界に対し,労働者の権利を遵守しその制限を許さないようにしつつ,社会的影響を最小限にするためのあらゆる措置を講じるよう呼びかけたい。

11 第九に,国民の間に苛烈な議論を呼んでいるのが医療用マスク不足の問題である。政府は,国内生産企業の生産量拡大に日々取り組んでいる。今国内で一日に生産されているマスクが36万枚で,うち17万1,000枚が複数回使用可能なものであるが,近々にこの数を100万枚まで増加させるという課題が存在する。

12 第十に,海外に所在する5,000名以上のカザフスタン人観光客の帰還を行う必要がある。世界中での大規模な減便の状況下で,チャーター便による彼らの輸送に係る前例のない措置が採用されつつある。これは国家が負担するものではない旨強調しておく。3月23日までに限っても,18本の便により4,000名以上のカザフスタン人観光客の帰国が予定されている(残りは後ほど移送する)。

13 明白な困難にもかかわらず,政府はカザフスタン人の社会保障に係るあらゆる義務を果たすこととなる旨指摘したい。我々は,あなた方(国民)に,国が執る措置に対して,理解と支援を呼びかけたい。法執行機関,医師及び衛生感染症当局の活動に理解と協力をお願いしたい。これら全てはあなた方の利益,あなた方の近親者の平穏,我が国における社会安定性維持のために行われるものである。イェルバス,大統領及び政府はカザフスタン国民の生活を保証するためにあらゆる努力をしている。しかしながら,普遍的な努力だけでは,我々は全ての困難を乗り越えることは出来ない。我々の成功と国民の健康は我々の一人一人に懸かっており,今日,我々の団結がこれまで以上に必要とされているのである。

(何かあった場合の問い合わせ窓口)

○在カザフスタン共和国日本国大使館

住所:5th floor, Kosmonavtov Street 62, micro-district

"Chubary", Nur-Sultan, 010000, Republic of Kazakhstan

電話:+7 (7172) 977-843

FAX :+7 (7172) 977-842

○日本外務省領事サービスセンター

電話:(代表)+81-3-3580-3311(内線)2902,2903

(日本外務省関係課室連絡先)

○領事局海外邦人安全課(テロ・誘拐事件を除く)

(内線)2851

○領事局邦人テロ対策室(テロ・誘拐事件等)

(内線)3047