第21回海外邦人安全対策連絡協議会の概要

○2月12日に大使館において、第21回海外邦人安全対策連絡協議会が開催されました。

○日本人が巻き込まれる交通事故やひったくり被害には引き続き注意が必要です。

○医療関係では,ラオスに多いデング熱狂犬病,緊急医療搬送時の留意点,新型コロナウイルス等について話し合われました。

2月12日に大使館において,第21回海外邦人安全対策連絡協議会が開催されました。

この協議会は,ラオスにおける在留邦人と日本人旅行者の安全のために,当地の日本人会,JICA,JETRO,商工会,補習校,日系NGO,日系旅行会社,空港関係,地方都市(パクセー)のそれぞれの代表者と大使館員が定期的に協議を行っているものです。今回は,緊急医療搬送等を手がける民間の医療従事者にも参加いただきました。会議概要以下のとおりですので,みなさまの安全対策のためにご活用ください。

1 過去1年間に邦人が巻き込まれた事案

(1)2019年中に大使館に相談のあった邦人援護件数は55件で,2018年(56件)とほぼ同数,ひったくり等の窃盗被害や交通事故が多いという傾向も前年と同様でした。依然として,バイクに乗った賊が歩行者や自転車を狙ってひったくりを行うケースが目立ちます。場所は,首都ビエンチャン中心部やメコン川沿いが多く,時間帯は日没後が大半です。ひったくられた際に転倒したりバイクに引きずられたりして大怪我をした事例もあります。

(2)また最近は,昏睡強盗も増加中です。主にビエンチャンルアンパバーンにおいて,白人風の男(ドバイから来た等称する)から声をかけられ飲み物を勧められて,意識がもうろうとしている間に金品を奪われる事例が複数報告されています。

(3)交通事故については,首都ビエンチャン内でも接触事故等は頻繁に起こっていますが,地方の長距離移動において大事故が発生しています。シートベルトもエアバッグも整備されていない古い車両で,地方の道路を高速で移動していて車が転倒し,乗車していた全員が大怪我を負った事例がありました。

(4)パクセーでは,若者の集まるディスコ等で,年1・2回の頻度で銃撃が起こっているという報告がありました。首都ビエンチャンのナイトクラブ等でも過去に同様の事例がありますので,大使館では夜間にこのような場所への立ち入りを控えるよう注意を促しています。

2 危険情報改訂について

(1)シェンクワン県プークート郡南部(国道7号線より南)では,2019年8月以降,中国企業のダムで働く職員が銃撃される事件が散発しているとみられます。これらの事件の犯人及び動機等は明らかになっていませんが,反政府勢力による犯行の可能性も否定できません。かかる事態を踏まえ,同地域の危険レベルを2に引き上げました。不要不急の渡航は止めてください。

ラオスの危険情報は以下のリンクからご確認ください。

https://www.anzen.mofa.go.jp/info/pchazardspecificinfo_2019T099.html#ad-image-0

(2)大使館では,「これ一冊でラオス滞在中の安全対策はすべてわかる」ようにまとめた「安全対策マニュアル」を作成しています。今般1月20日付で同マニュアルを改訂し,本件協議会の席上で配布しました。同マニュアルは当館ホームページからも閲覧できますので,ぜひ最新のマニュアルをご一読ください。

https://www.la.emb-japan.go.jp/files/000561414.pdf

3 医療関係

(1) ラオスで生活する上での留意点

ラオス赴任の際に,一般的に接種が推奨されるワクチンは,優先度順に,A型肝炎,B型肝炎狂犬病,麻疹,破傷風日本脳炎,腸チフス

・2019年はデング熱の感染者が非常に多く,首都ビエンチャンでは37,000人以上の罹患と70人以上の死亡が確認されました。症状は,発熱,頭痛,筋肉痛,関節痛等により自覚されますが,鎮痛薬を服用していたため発熱が押さえられ,足などの痛みだけを訴えて診断・搬送が遅れたケースも報告されました。防蚊対策としては,薄い色(白色)の長袖・長ズボンを着用,ディートやピカリジン等の有効成分を含んだ虫除け剤を使用,住居周辺の水たまりをできるだけ排除,等。

・その他ラオスにおいては,結核,インフルエンザ,急性腸炎,大気汚染,肝炎,寄生虫感染等のリスクも高く,また,交通事故による外傷や狂犬病については,ラオス国内で適切な治療・投薬を受けられない可能性があるので,緊急医療搬送に備えた保険の加入や本邦での狂犬病の予防接種が推奨されます。

(2) 緊急医療搬送

ラオスの医療水準は周辺国と比べても著しく低く,英語で意思疎通できる病院は非常に限られており,日本人が入院又は手術を受けることはほぼ不可能です。このため,タイ(陸路でウドンタニ又は空路でバンコク)へ医療搬送されるケースが相当数あります。

・緊急医療搬送に際しては,旅券原本,海外旅行・赴任者傷害保険が必要であることに加え,夜間の第一友好橋国境閉鎖時間帯(22時から翌朝6時)においては,病院の救急車を利用すること,ラオス人の保証人(翌朝,患者の旅券を持参して入管手続きを代行できる人)を同伴することが求められる場合が多いようです。たとえば,アライアンス・インターナショナル・メディカル・センター(AIMC)(24時間日本語ホットラインは,020 54024002)の救急車を利用してビエンチャンからウドンタニのワッタナー病院までの搬送時間は約2時間(夜間はプラス15分)程度とのことですが,旅券や保険の確認等に時間がかかり,搬送決定までに長時間かかってしまった例もあるようです。家族や信頼できる職場の同僚・大家等のラオス人に,万一の時

の旅券や保険証のありかを伝えて,夜間搬送時の保証人を頼んでおくことも一案です。

・協議会では,在留邦人有志が作成した「ラオス在住邦人の医療対策(ビエンチャン版)」が配布されました。以下のリンク(日本人会HP)からご覧になれます。

https://ajrl.la/ajrl/home/medica-llaos2019.pdf

(3) 新型コロナウイルス(2月12日現在の情報)

新型コロナウイルスは,主に飛沫と接触により感染し,発熱,咳,呼吸困難感,筋肉痛・倦怠感等の症状が現れるまでの潜伏期間は1−12.5日(中央値5日)と言われています。入院を要する重症例は感染者の約16%,死亡率は武漢で約4%,武漢以外の中国で約2%,中国以外では1%未満と推定されます。重症化するリスクの高い方は,主に高齢者と基礎疾患(糖尿病,高血圧,心疾患等)のある方です。

・現時点で,ラオス国内に感染者は確認されていません。疑い症例,確定症例は,ラオス政府の指示により,ミタパープ病院等の国立病院の隔離病棟へ入院となります。感染が確認された場合には,ラオスからの出国やタイ等第三国への入国ができない可能性があります。まずは,手洗い・うがい等を励行して予防に努めてください。ラオスの医療事情を考慮して,重症化するリスクの高い方は,心配ならば,早めに主治医とよく相談するとともに,保険の適用範囲や旅券の有効期限等の確認をしておくことをお勧めします。

【問い合わせ先】

ラオス日本大使館領事班

開館時電話:021-414-400〜403

閉館時緊急電話:020-5551-4891

メール:consular@vt.mofa.go.jp

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