新型コロナウイルスに関するカザフスタン首相府発表

28日付けカザフスタン首相府の発表によれば,首相府の記者会見において,新型コロナウイルスをめぐる状況につきヌリシェフ外務第一次官,ビルタノフ保健相及びベクシン国家主任衛生医師が報告を行ったところ,概要は以下のとおりです。

1 ヌリシェフ外務第一次官は,現在まで中国に滞在するカザフスタン人について述べた。外務省によれば,現在,武漢市にはカザフスタンの学生98人が滞在している。駐中国カザフスタン大使館は,学生との直接の連絡手段を有している。

2 ヌリシェフ外務第一次官は,「学生らには必要なもの全てがあり,彼らが学ぶ大学では彼らに必要なもの全てが確保されている。それはマスクなど医療物資である。食糧も同様に十分である。御存じの通り,首相の指示に従い,我々には省庁間委員会が創設された。昨日会合が行われ,我々は現在学生の避難の問題を検討している。この問題に関して中国側には口上書が送られた。現在,飛行機を飛ばすか,どこに着陸するか,どこから彼らを連れ帰る必要があるか等,避難ルートに関する具体的問題が検討されている。学生と話し合いが行われており,彼らの数に基づき特別機派遣の問題が詰められる。外交許可の受領は,中国側と合意の段階にある」と述べた。

3 駐中国カザフスタン大使館及び総領事館によれば,現在,健康証明書の請求等,中国国民に対するビザ申請の要件が強化された。ヌリシェフ外務第一次官は,「政府の決定により,中国国民に対する72時間のビザ無し制度が一時的に停止された。また,中国国民に対して空港到着時の電子ビザ申請を停止する決定が下された」と述べた。

4 外務省によれば,現在,中国には約1,300人のカザフスタン人が滞在する。内,635人は海南省に滞在する観光客である。204人は大使館及び総領事館の職員及びその家族,また,445人は中国領内に滞在するカザフスタン国民である。ヌリシェフ第一次官は,「昨日,中国外交部において外交団向けのブリーフィングが行われた。その際,中国側は彼らの領内で生じている状況について説明した。当然,彼らは,全てがコントロール下に置かれており,全ての然るべき措置が講じられていると述べた。ウイルス拡散防止のための移動を減らすために各国国民が出来るだけ居住地に留まるよう要請されたが,その一方で彼らは,諸外国からたっての要請があった場合,これらの国々の国民の避難と出国の問題を検討する用意

があると述べた」と指摘した。

5 ビルタノフ保健相は,世界保健機関(WHO)からグローバルな脅威や国境封鎖に関する情報は出ていない旨指摘した。同相は,「WHOは,目下,海外渡航制限を勧告していない。把握している限りでは,中国との国境を封鎖した国は一つもない。中国国境経由の国民の数は,他国よりもはるかに多いと理解しているが,他国では国境封鎖は行われていない。従って,政府委員会は,国境封鎖に関する決定を下さなかったが,官民組織に対して,中国への出張を自粛するよう勧告している。また国民に対しても個人その他の目的で中国に渡航することを自粛するよう勧告する。これは,中国を訪れる国民のリスクを下げるため行われている」と述べた。

6 ベクシン国家主任衛生医師は,国民に対して,感染の恐れがある人々との接触や大勢の人が集まる場所でのマスクの着用を勧告した。それ以外の屋外ではマスクを着用する必要はない。ベクシン氏は,「開かれた環境においてこのウイルスは生き残れない。どんなに長くても一昼夜である。ウイルスが拡散するために最適な温度は36−37度,すなわち,このウイルスは人間と動物の個体でしか生き残れない。従って,このウイルスが食糧品や小包の輸送を通じて広がる可能性は低い。中国からカザフスタンに鉄道や航空機で入ってくる商品は,約2,3日かかる。すなわち,ウイルスは生き残れない。もう一つ勧告がある。調理の際には食材を十分に洗い,加熱すること。生の野菜や果物は,流水でよく洗い,熱湯ですすぐ必要が

ある」と述べた。

7 中国外への感染拡大の高い危険性は,中国の春節に伴う観光客の大規模な移動を背景に未だに残っている。疫学調査に基づけば,感染者の大多数は,湖北省武漢市に所在する華南卸売市場で働いていた者や頻繁に同市場を訪れていた者である。

8 現在までにカザフスタンでは,国境通過ポイント,空港及び駅においてコロナウイルスの侵入と拡散の予防措置が講じられている。国際航空便で到着した人々に対するサーマルスキャナーでの検査が強化されたほか,全ての人に対する体温の非接触型測定が義務づけられ,空港,国境及び税関職員,並びに,航空機及び列車の乗組員への予防措置が講じられた。空港では,中国への渡航者全てに注意喚起が行われている。

9 このほか,コールセンター(社会医療保険基金ベース)1406(+7-7172-76-80-43)が立ち上げられており,カザフスタン国民は同センターに電話することで,コロナウイルスの世界での感染状況,また,予防措置や主な病状についていつでも知ることができる。

(何かあった場合の問い合わせ窓口)

○在カザフスタン共和国日本国大使館

住所:5th floor, Kosmonavtov Street 62, micro-district

"Chubary", Nur-Sultan, 010000, Republic of Kazakhstan

電話:+7 (7172) 977-843

FAX :+7 (7172) 977-842

○日本外務省領事サービスセンター

電話:(代表)+81-3-3580-3311(内線)2902,2903

(日本外務省関係課室連絡先)

○領事局海外邦人安全課(テロ・誘拐事件を除く)

(内線)2851

○領事局邦人テロ対策室(テロ・誘拐事件等)

(内線)3047