トルコ国内における炭疽の発生について

●8月25日から、トルコ国内のアンカラ県ギョルバシ地区及びシワス県、イスタンブール県スィリヴリ地区などで炭疽に感染した家畜が認められ、皮膚炭疽感染が疑われた畜産業従事者等が治療を受けております。

●日常生活において炭疽に感染する可能性は低く、現在まで人の生命に危害は及んでおりませんが、上記場所へ渡航又は滞在中の場合、家畜や野生動物との接触は避け、安全が確認できない肉を食べないようご注意ください。また、下記炭疽の感染の症状が現れた場合には、速やかに最寄りの医療機関を受診してください。

トルコにお住まいの皆様及び旅行者の皆様へ

2018年9月7日

イスタンブール日本国総領事館

1 ベキル・パクデミルリ農業森林大臣によれば、8月25日、アンカラ県ギョルバシ地区で、炭疽に感染した家畜がアンカラ県で認められた後、146頭の牛がと殺され、農場は隔離され、牛へ炭疽のためのワクチンを接種しました。その後、トルコ東部のシワス県ギュリュン地区では3名が炭疽に感染の疑いで入院し、治療を受けました。ファフレッティン・コジャ保健大臣によれば、9月2日、イスタンブール県スィリヴリ地区で炭疽への感染が疑われる家畜に接触した48名が病院で検査を受け、そのうち6名に皮膚炭疽が見られました。

トルコでは、1990年から2007年までの間に、計426名の炭疽の患者が発生しています。皮膚炭疽が96%を占めます。主な流行地域は、中央アナトリアカイセリ県、エルズルム県)、東部(カルス県、ヴァン県)の農村地帯です。

2 つきましては、トルコへの渡航・滞在を予定している方や既に現地に滞在中の方は、最新情報を随時確認の上、炭疽の感染予防に努めてください。

3 炭疽について

(1)炭疽とは

炭疽は、炭疽菌(Bacillus anthracis)による感染症です。主な流行地域は、スペイン南部、トルコ、イラン、中央アジアパキスタンにまたがる一帯であり炭疽ベルトと呼ばれています。中南米、サハラ以南のアフリカでも見られます。

(2)症状と治療

1〜7日間の症状のない時期の後に、皮膚の異常(皮膚炭疽)、消化器の異常(腸炭疽)や呼吸器の異常(肺炭疽)がおこります。感染の95%以上は皮膚炭疽です。皮膚に触れただけで感染することはほとんどなく、傷から体内に菌が取り込まれることによって感染します。まず痒みがおこり、続いてイボ状のできものができ、それが水ぶくれになって大きくなり、えぐれて潰瘍になり、最後にはくぼんで硬い黒いかさぶた状のものができます。全く治療をしないと10〜20%が死亡します。ペニシリンやフルオロキノロンによる抗生物質による治療が行われます。

(3)海外での感染防止

炭疽が流行している地域に渡航する場合及び滞在中は、次の点に注意してください。              

●家畜(牛、羊)、野生動物に近づくことを避け、肉や臓器、皮や毛などに触らない。

●安全が確認できない肉は食べるのを避けましょう。

●酪農場、と殺場を訪問する際は、家畜類には近づかない。

●家畜類との接触後、上記炭疽様症状が現れた場合には、速やかに最寄りの医療機関を受診しましょう。

(参考情報)

厚生労働省検疫所(FORTH):炭疽

https://www.forth.go.jp/useful/infectious/name/name52.html

国立感染症研究所 炭疽

https://www.niid.go.jp/niid/ja/kansennohanashi/435-anthrax-intro.html

イスタンブール日本国総領事館

代表電話:0212-317-4600

FAX:0212-317-4604

メール:ryoji@it.mofa.go.jp

総領事館ホームページ:http://www.istanbul.tr.emb-japan.go.jp/index_j.html 

○外務省海外安全ホームページ: http://www.anzen.mofa.go.jp

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