国内情勢と治安状況(5月23日)

●5月23日(水)現在,全国各地で,幹線道路を封鎖する動きが拡大しています。

●スーパーの商品略奪,路上強盗の増加,幹線道路の通行料金として金銭を要求する事案など,行政の一部機能不全に伴い,警察力の低下による治安の悪化が懸念されます。

1 国内情勢

(1)報道によりますと,5月18日(金),マナグア市内の神学校において,政府,民間企業,学生,カトリック教会等の代表者が参加する第2回国民対話が行われ,政府と反政府側の間で,48時間の停戦協定が結ばれました。

(2)しかし,翌19日(土)夕方,マナグア市北部の国立農業大学(UAN)前の北街道上で一部の車線を封鎖していた学生らが,与党支持者と思われる集団から襲撃を受け,少なくとも学生ら8名が負傷(うち2名は銃撃されて重体)しました。

(3)同事件を受け,翌20日(日),襲撃を非難する市民らが,マナグア県,チョンタレス県等4都市において,道路封鎖を再開したため,一部の地域では物流に支障が出るなどの問題が発生しています。また,21日(月)午前0時に停戦協定が失効したことを受け,道路封鎖を再開する動きは更に拡大しています。

(4)21日(月),米州人権委員会(CIDH)は暫定報告を発表し,調査を通じて得られた情報によれば,今次暴動において死者76名,負傷者868名、逮捕者438名が発生したと述べた上で,警察及び与党支持者による実弾,ゴム弾,催涙弾等の武器を使用したデモ隊への攻撃を指摘した他,弾圧及び不当逮捕の即時停止など15項目に及ぶ勧告を行いました。

(5)21日(月),第3回国民対話が行われ,CIDHの15の勧告を受け入れる旨が合意された一方,政府等が提案した道路封鎖の解除は,学生・農民・市民社会・経済界の反対により否決されました。

(6)道路封鎖を主導する農民グループは,政権に一層の圧力をかけるべく,23日(水)朝以降,これまで一部で認めていた一定間隔の通行許可を止める等,封鎖を徹底するよう呼びかけていたところ,マナグアから移動した政府を支持する集団が,レオン県テリカ市の封鎖箇所を襲撃する事態が発生しています。

2 治安状況

(1)昨今,マナグア市の中米大学(UCA)周辺の地域において,バイク乗りの男らが,歩行者から携帯電話等を奪う路上強盗事件が頻発しているとの情報があります。また,マサヤ県マサヤ市では,商品の略奪が続き,同市内及び郊外の幹線道路においては,道路を封鎖するだけでなく,通行する車両のドライバーに,通行料金として金銭を要求する事案が報告されています。

(2)事案の内容から,一部地域において,行政の一部機能不全に伴い,警察力が著しく低下している状況が窺え,今後も国内の混乱が継続すれば,さらなる治安の悪化が懸念されますので,引き続き不要,不急の外出を控えるとともに,外出する際は,日中,夜間に限らず,より一層の警戒をお願い致します。

(3)また,これまで平穏だった地域でも突然衝突が発生し,急激に治安が悪化する可能性もあることから,テレビ,インターネット等により最新情報の入手に努めて頂きますようお願い致します。

【お問い合わせ先】

ニカラグア日本国大使館 領事班

Embajada del Japon en Nicaragua, Encargado consular

TEL:(505)2266-8668〜8671 FAX:(505)2266-8566

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