【感染症危険情報:参考】エボラ出血熱の発生(コンゴ民主共和国)

コンゴ民主共和国においてエボラ出血熱が発生しています。

●WHOは,中央アフリカ共和国コンゴ民主共和国の周辺国として挙げていますが,現在,中央アフリカ共和国での発症例は確認されていません。

中央アフリカ共和国を含む周辺9か国においても感染拡大のリスクが高いため,これらの国に対する機器や人員の支援が行われています。

●5月18日,世界保健機関(WHO)は,コンゴ民主共和国におけるエボラ出血熱の発生状況について,現時点では「国際的に懸念される公衆の保健上の緊急事態(PHEIC)」を宣言しない旨を発表しました。一方,発表では,より急速に感染が拡大するリスク等の懸念が示されています。

コンゴ民主共和国及びその周辺国への渡航・滞在にあたっては,感染が急速に広がる可能性があるので,最新情報の入手に努め,十分注意して下さい。また,現地で十分な医療が受けられない恐れがありますので,症例が発生している場所には近付かないでください。

エボラ出血熱は,致死率が非常に高い極めて危険な感染症で,主として感染者の体液等(血液,分泌物,吐物・排泄物)に触れることにより感染します。コンゴ民主共和国及びその周辺国への渡航・滞在にあたっては,感染者が発生している地域には近づかないようにし,最新情報の入手に努めるよう,十分注意して下さい。

参考としてエボラ出血熱に関する情報をお伝えします。

感染症危険情報(レベル1)

コンゴ民主共和国におけるエボラ出血熱の発生

【危険度】

レベル1「十分注意してください。」(新規)

感染が急速に広がる可能性があるので,最新情報の入手に努めて下さい。

現地で十分な医療が受けられない恐れがありますので,症例が発生している場所には近付かないでください。

 

1 世界保健機関(WHO)の発表

  5月18日,世界保健機関(WHO)は,コンゴ民主共和国におけるエボラ出血熱の発生を受けて,国際保健規則(IHR)緊急委員会の第1回会合を開催しました。同委員会の勧告に基づき,WHOは,コンゴ民主共和国におけるエボラ出血熱の発生状況について,現時点では「国際的に懸念される公衆の保健上の緊急事態(PHEIC,Public Health Emergency of International Concern)」を宣言しない旨を発表しました。一方,発表では,エボラ出血熱の発生状況(以下(1))を踏まえ,より急速に感染が拡大するリスク等の懸念が示されています(以下(2))。

(1)エボラ出血熱の発生状況

   4月4日から5月17日までに,コンゴ民主共和国において45の疑い症例(うち3例は医療従事者。また,25例は死亡)が報告され,このうち14例がエボラ出血熱の確定例である。多くの症例は遠隔地にある赤道州ビコロ保健圏で確認されたが,確定例のうち1例はムバンダカ市(人口120万人)で確認されており,感染の拡大が見られる。

同国の周辺9か国においても感染拡大のリスクが高いため,これらの国に対する機器や人員の支援が行われている。

(2)課題

   ア 今回のコンゴ民主共和国にけるエボラ出血熱の特徴は,エボラ出血熱の感染が都市部に広がっていること,遠方のアクセスが難しい地域で複数の症例があること,医療従事者が感染しておりさらに増加する可能性があることから,より急速な感染拡大のリスクが特に懸念されることである。

   イ コンゴ川に隣接し交通の要衝であるムバンダカ市で感染例が確認されたことから,国際的な感染拡大のリスクが特に高い。

   ウ 現在報告されているほとんどの症例が遠隔地のインフラが脆弱な地域で発生しているため物資の展開に大きな課題があり,サーベイランス,症例の確認,感染者と接触した者の追跡,ワクチン及び治療の提供に影響がある。

○WHOの発表

http://www.who.int/news-room/detail/18-05-2018-statement-on-the-1st-meeting-of-the-ihr-emergency-committee-regarding-the-ebola-outbreak-in-2018 

2 エボラ出血熱について

  エボラ出血熱は,エボラウイルスが引き起こす,致死率が高い極めて危険な感染症です。患者の血液,分泌物,排泄物などに直接触れた際,皮膚の傷口などからウイルスが侵入することで感染します。ヒトからヒトへの感染は,家族や医療従事者による患者の看護や葬儀の際の遺体への接触を通じて起きることが報告されています。

  現在,安全性や有効性が確立された予防のためのワクチンや治療薬は存在せず,治療は対症療法が基本となります。潜伏期間は2日から21日(通常は7日程度)で,発熱・悪寒・頭痛・筋肉痛・食欲不振などに始まり,嘔吐・下痢・腹痛などの症状があります。更に悪化すると,皮膚や口腔・鼻腔・消化管など全身に出血傾向がみられ,死に至ります。

  エボラウイルスの感染力は必ずしも強くないため,アルコール消毒や石けんなどを使用した十分な手洗いを行うとともに,エボラ出血熱の患者(疑い含む)・遺体・血液・嘔吐物・体液や動物に直接触れないようにすることが重要です。

  エボラ出血熱に感染しないよう,以上を参考に感染者が発生している地域に近付かないようにし,感染者又は感染の疑いがある人との接触は避け,野生動物の肉(bush meatやジビエと称されるもの)を食さないなど,エボラ出血熱の感染予防を心がけてください。

(参考)

厚生労働省検疫所

http://www.forth.go.jp/useful/infectious/name/name48.html

国立感染症研究所:「エボラ出血熱とは」

https://www.niid.go.jp/niid/ja/kansennohanashi/342-ebola-intro.html

3 在留届及び「たびレジ」への登録のお願い

  海外渡航前には,万一に備え,家族や友人,職場等に日程や渡航先での連絡先を伝えておくようにしてください。3か月以上滞在する方は,緊急事態に備え,必ず在留届を提出してください。

http://www.mofa.go.jp/mofaj/toko/todoke/zairyu/index.html

  また,3か月未満の旅行や出張などの際には,海外滞在中も安全に関する情報を随時受けとれるよう,外務省海外旅行登録「たびレジ」に登録してください。(詳細はhttps://www.ezairyu.mofa.go.jp/tabireg/# 参照)

※「たびレジ」簡易登録をされた方でメールの配信を停止したい方は,以下のURLから停止手続きをお願いします。

https://www.ezairyu.mofa.go.jp/tabireg/simple/delete

(問い合わせ窓口)

○外務省領事サービスセンター

  住所:東京都千代田区霞が関2-2-1

  電話:(代表)03-3580-3311(内線)2902、2903

(外務省関連課室連絡先)

○外務省領事局政策課(海外医療情報)

  電話:(代表)03-3580-3311(内線)5367

○外務省 海外安全ホームページhttp://www.anzen.mofa.go.jp/

        (携帯版)  http://m.anzen.mofa.go.jp/mbtop.asp

○連絡先

カメルーン日本国大使館 領事班

Ambassade du Japon au Cameroun

E mail: ryojicameroun@yd.mofa.go.jp

Cel: (237)677708915

Ambassade du Japon

1535, Rue 1828, Bastos-Ekoudou, Yaounde, Cameroun (B. P. 6868)

Tel: (237) 2-2220-6202

Fax: (237) 2-2220-6203

http://www.cmr.emb-japan.go.jp/jp/index-jp.html

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