インドの危険情報【一部地域危険レベル引き下げ】(更新)

外務省では,1月19日付で,インドの海外安全情報(危険情報)の内容を更新し,発出しましたのでお知らせします。

http://www.anzen.mofa.go.jp/info/pchazardspecificinfo_2018T010.html#ad-image-0

本メールは,在留届を提出されている方に配信しています。

2018年1月22日

在インド日本国大使館

電話:(91)−11−4610−4610

メール:jpemb-cons@nd.mofa.go.jp

(以下危険情報本文)

【危険度】

●ジャンム・カシミール

・管理ライン(LoC)付近

レベル4:退避してください。渡航は止めてください。(退避勧告)(継続)

・スリナガルとその近郊及びラダック地域を除く地域

レベル3:渡航は止めてください。(渡航中止勧告)(継続)

・スリナガルとその近郊

レベル2:不要不急の渡航は止めてください。(継続)

・ラダック地域

レベル1:十分注意してください。(継続)

●北東部諸州

・マニプール,アッサム(グワハティ市を除く),ナガランド,メガラヤ各州

レベル2:不要不急の渡航は止めてください。(継続)

・アッサム州グワハティ市,トリプラ州

 レベル1:十分注意してください。(引き下げ)

●中・東部諸州

・マハーラーシュトラ州東部地域ガドチロリ県,ゴンデア県及びチャンドラプル県

レベル2:不要不急の渡航は止めてください。(継続)

アンドラ・プラデシュ,テランガナ,オディシャ,チャッティースガル各州の高原奥地,ジャールカンド及びビハール両州の農村地域

レベル2:不要不急の渡航は止めてください。(継続)

上記以外のインド全域(デリー,コルカタ,チェンナイ,ムンバイ,ベンガルール等の大都市を含む)

レベル1:十分注意してください。(継続)

【ポイント】

●ジャンム・カシミール州では,武装勢力によるテロや,インド・パキスタン軍間の銃撃戦等が起きています。特にレベル4(退避勧告)とレベル3(渡航中止勧告)に該当する地域への渡航は,目的の如何を問わず止めてください。

●北東部諸州では,インドからの分離独立を目指す武装勢力が多数活動していますが,その一部は停戦合意するなど,活動は小康状態となっています。中でもアッサム州グワハティ市とトリプラ州においては,治安改善が見られることから,同地域に限りレベル2からレベル1に引き下げます。

●ただし,北東部諸州その他の地域をはじめ,ジャンム・カシミール州,中・東部諸州を中心に各地で分離独立を主張する勢力やマオイスト等がテロ事件を起こしています。不測の事態に巻き込まれないよう,最新の治安情報を収集し,行動に慎重を期す等の安全対策を講じてください。

1.概況

(1)インドは着実な経済発展を遂げており,社会情勢は全体的に安定しています。その一方で,多民族,多宗教等の複雑な国内事情から,分離独立を主張するグループ等の武装勢力が多数存在し,ジャンム・カシミール州,北東部諸州,中・東部諸州を中心として,各地でテロ事件等が発生しています。また,デリー,コルカタ,チェンナイ,ムンバイ,ベンガルール等の大都市では,イスラム過激派等によるテロに関する脅威情報を受け,治安当局が高度な警戒態勢を敷くことがあります。

(2)ジャンム・カシミール州においては,武装勢力によるインド軍に対する襲撃や,インドからの分離独立等を目指す武装勢力によるテロ事件がたびたび発生しています。インド内務省のまとめによれば,2016年に同州で発生したテロ事件は300件を超え,死者は一般市民を含め100名近くに上っています。

また,パキスタンとの軍事境界である管理ライン(LoC)付近においては,2003年に,インド・パキスタン両軍の間で停戦が合意されましたが,それ以降も両軍間で銃撃戦等が散発的に発生しています。

(3)北東部諸州のうちマニプール,アッサム(グワハティ市を除く),ナガランド,メガラヤ各州においては,インドからの分離独立等を目指す武装勢力が多数活動しています。

(4)中・東部諸州のうちマハーラーシュトラ州東部(ガドチロリ県,ゴンデア県及びチャンドラプル県)地域,アンドラ・プラデシュ,テランガナ,オディシャ,チャッティースガル各州の高原奥地,ジャールカンド及びビハール両州の農村地域では,マオイストと呼ばれる武装集団による治安部隊や公共施設等への襲撃が相次いでいます。2016年には,年間1,000件を超える事件が発生し,約300名の死者が出ました。

(5)インドにおいて,日本人・日本権益を直接標的としたテロ事件は確認されていませんが,近年,シリア,チュニジア及びバングラデシュにおいて日本人が殺害されたテロ事件や,英国,フランス,ドイツ,ベルギー,トルコ,インドネシア,フィリピン等,日本人の渡航者が多い国でもテロ事件が多数発生しています。このように,世界の様々な地域でイスラム過激派組織によるテロがみられるほか,これらの主張に影響を受けた者による一匹狼(ローンウルフ)型等のテロが発生しており,日本人・日本権益が標的となり,テロを含む様々な事件の被害に遭うおそれもあります。このような情勢を十分に認識して,誘拐,脅迫,テロ等に遭わないよう,また,巻き込まれることがないよう,海外安全情報及び報道等により最新の治安・テロ情勢等の関連情報の入手に努め,日頃から危機管理意識を持つとともに,状況に応じて適切で十分な安全対策を講じるよう心がけてください。

2.地域別情勢

(1)ジャンム・カシミール

(ア)管理ライン(LoC)付近

レベル4:退避してください。渡航は止めてください。(退避勧告

2003年に,インド・パキスタン両軍の間で停戦合意が成立しましたが,それ以降も両軍間で銃撃戦等が散発的に発生しており,住民にも多数被害が出ています。

また,武装勢力も活動しており,2016年1月には,隣接するパンジャブ州パタンコートの空軍基地を,同年9月にはジャンム・カシミール州ウリの陸軍基地を襲撃するなど,軍と交戦することがしばしばあります。

つきましては,管理ライン付近に滞在中の方は,安全な場所へ退避するとともに,同地域への渡航は目的の如何を問わず止めてください。

(イ)スリナガルとその近郊及びラダック地域を除く地域

レベル3:渡航は止めてください。(渡航中止勧告

ジャンム・カシミール州は,失業,貧困等による住民のフラストレーションが長期的に蓄積しており,反政府の気運が潜在する地域となっています。1980年代からカシミール地方のインドからの分離独立等を目指す武装勢力による爆弾テロや,インド軍・治安当局との銃撃戦が頻発し,住民が被害に巻き込まれることもあります。また,2016年7月に分離独立主義過激派組織「ヒズブル・ムジャヒディン」の指導者がインド治安当局に殺害されて以降,殺害に抗議する群衆と治安部隊との衝突がたびたび発生し,100名近い死者が出ています。

つきましては,同地域への渡航は,目的の如何を問わず止めてください。

(ウ)スリナガルとその近郊

レベル2:不要不急の渡航は止めてください。

同地域は,失業,貧困等による住民のフラストレーションが長年蓄積しており,反政府への気運が潜在する地域となっています。2016年7月に「ヒズブル・ムジャヒディン」の指導者が治安当局に殺害されて以降,スリナガルにおいても住民による治安部隊に対する投石や騒擾事案がしばしば発生しています。

また,同地域では,周囲の危険レベル3,4の地域程ではないにせよ,テロ事件等が散発的に発生しています。2017年10月には,空港近くの国境警備隊キャンプを武装勢力が襲撃し,部隊員1名が死亡したほか,同年11月には武装勢力が警察隊への銃撃を行い,警察官1名が死亡する事件が発生しました。

つきましては,スリナガルとその近郊への不要不急の渡航は止めてください。渡航・滞在する場合には,最新の現地治安情勢について情報収集に努めるとともに,在インド日本国大使館とも連絡を取りながら事態の急変に備える等,安全確保のための準備を十分に行い,不測の事態に巻き込まれないよう注意してください。また,すでに滞在中の方は,宗教施設や不特定多数の人が集まる場所へは近寄らず,住民によるデモ等が行われる場合は安全な場所へ避難してください。更に,スリナガルを訪問する場合は,「渡航中止勧告」の地域を通る陸路での移動を避け,空路を利用してください。

(エ)ラダック地域

レベル1:十分注意してください。

レー及びその周辺のラダック地域は,チベット仏教の信者が多く居住する北インドの観光地で,治安は比較的安定していますが,同地域へ渡航する場合は,最新の現地治安情勢について情報収集に努め,不測の事態に巻き込まれないよう注意してください。また,レーを訪問する際は,陸路での移動を避け,空路を利用してください。

(2)北東部諸州のうちマニプール,アッサム(グワハティ市を除く),ナガランド,メガラヤ各州

レベル2:不要不急の渡航は止めてください。

(ア)インド政府の公式発表によれば,2016年の北東部諸州におけるテロ発生件数は482件で,治安部隊及び民間人の死亡者は65人であり,依然としてテロが発生するなど情勢が不安定です。

つきましては,これらの地域への不要不急の渡航は止めてください。渡航・滞在する場合には,最新の現地治安情勢について情報収集に努めるとともに,在インド日本国大使館とも連絡を取りながら事態の急変に備える等,安全確保のための準備を十分に行い,不測の事態に巻き込まれないよう注意してください。

(イ)マニプール州においては,インドからの分離独立を目指す複数の武装勢力と軍・治安当局との交戦,村落の襲撃,要人を狙った誘拐等が発生しています。2015年3月には州都インパールの市場において遠隔式爆弾が爆発し,4名が死亡,23名が負傷したほか,同年11月には,西インパールにおいて,爆弾(IED)が爆発し,市民3名が死亡する事件が発生しました。また,2016年5月には,チャンデル県のミャンマー国境付近において,武装勢力待ち伏せ攻撃により治安部隊員6名が死亡,10月には,ウクルル県を訪問した州政府要人が武装勢力から銃撃される事件(同要人は無傷)が発生,2017年11月には,チャンデル県において爆弾(IED)により準軍隊の隊員2名が死亡し,6名が負傷する事件が発生しました。

(ウ)アッサム州(グワハティ市を除く)においては,インドからの分離独立を目指し広く武装闘争を展開していた「アッサム統一解放戦線(ULFA)」が,2011年に中央政府との停戦に合意して以降,同州内おける武装勢力関連事案は減少傾向にあります。しかし,分派勢力である「アッサム解放統一戦線独立派(ULFA-I)」や「ボドランド民族民主戦線(NDFB)」などの過激派組織が引き続き武力闘争を継続しており,軍及び治安部隊との銃撃戦が発生しているほか,各地で市場,警察署,変電所,精油所,パイプラインなどの施設を標的とした爆弾テロも発生しています。また,2014年5月には,ボド族がイスラム教徒の村を次々と襲撃し,少なくとも30名以上が死亡し,数百人規模の避難民が発生する騒じょう事件も発生しました。

(エ)ナガランド,メガラヤの各州においては,分離独立等を掲げる過激派組織による治安当局や敵対するグループに対する襲撃,その他身代金目的の誘拐事件等が発生しています。

ナガランド州においては,2015年8月,中央政府と「ナガランド民族社会主義協議会ムイヴァー派(NSCN-IM)」との和平協定締結によって,結成以来30年以上に及ぶ武装闘争に終止符が打たれるなど,治安安定に向けた動きがあるものの,過激な武装闘争を掲げるナガランド民族社会主義評議会カプラン派(SNCK-K)の活動は依然として継続しています。メガラヤ州においては,ガロ民族解放軍(GNLA)等のグループが治安部隊や市民に対し攻撃を仕掛け,また,略奪や誘拐事件等を引き起こしているとの情報もあります。

(3)北東部諸州のうちアッサム州グワハティ市,トリプラ州

レベル1:十分注意してください。(引き下げ)

アッサム州においては,ULFAと中央政府との停戦合意後もこれに反対する一部の分派勢力(ULFA-I)やその他の武装勢力による闘争は継続していますが,警察,準軍隊及び軍隊が協働して武装勢力鎮圧に当たっています。特に,アッサム州及びインド北東部の中心都市であるグワハティ市では,治安部隊による警戒態勢が強化されている状態にあり,武装勢力に関係する事案はこの3年間発生していません。

トリプラ州においては,2000年代に多くのテロ関連事案が発生し,インド内務省のデータによれば,2003年に394件の事案が発生し,207名の市民が犠牲となるなどしていましたが2016年には事案発生数及び市民の被害者数がともにゼロとなるなど,顕著な治安の回復が見られます。中央政府が多くの軍隊や準軍隊をトリプラ州に派遣し,州警察ともに武装勢力の摘発や警戒にあたったことにより,トリプラ州内において武装勢力の活動は見られなくなっているほか,隣接するバングラデシュ国内に設けられていたインド武装勢力の拠点も,バングラデシュ当局による掃討作戦でほぼ壊滅されたと言われています。

つきましては,アッサム州グワハティ市及びトリプラ州の危険度をレベル1に引き下げますが,周辺の北東部諸州では依然としてテロ事件が発生していることなどを踏まえ,渡航・滞在にあたっては,最新の治安情勢の入手に努めるなど,十分注意してください。

また,グワハティ市では殺人,強盗,強姦,誘拐が,トリプラ州では殺人や強姦がインド全体の平均を上回る水準で発生していますので,一般治安情勢についても引き続き注意が必要です。

(4)中・東部諸州のうちマハーラーシュトラ州東部地域(ガドチロリ県,ゴンデア県,チャンドラプル県),アンドラ・プラデシュ,テランガナ,オディシャ,チャッティースガル各州の高原奥地,ジャールカンド,ビハール両州の農村地域

レベル2:不要不急の渡航は止めてください。

(ア)これらの地域では,極左過激派組織「マオイスト」等の影響が強く見られ,治安当局や警察に対する襲撃や暗殺,反対派住民の殺害,鉄道駅等の爆破のほか,住民からの強制的な資金徴収,ゼネストの呼びかけなどが行われています。インド内務省によれば,極左過激派組織によるテロで,2016年には民間人や治安部隊員約300名が死亡しました。インド政府は近年,教育施設や病院建設等の経済振興を図る「統合行動計画」と同時に,対マオイスト特殊部隊の増員等を進め,総合的なマオイストに対する政策を推し進めています。その結果,状況は改善しつつあるものの,依然として不安定な状況が続いています。

つきましては,これらの地域への不要不急の渡航は止めてください。渡航・滞在する場合には,最新の現地治安情勢について情報収集に努めるとともに,渡航・滞在先を管轄する日本国大使館又は総領事館(下記連絡先参照)とも連絡を取りながら事態の急変に備える等,安全確保のための準備を十分に行い,不測の事態に巻き込まれないよう注意してください。また,地元部族の風習,宗教,伝統を十分理解,尊重した行動をとってください。

(イ)オディシャ州,ジャールカンド州,ビハール州においては,マオイストによる殺害,誘拐,爆破事件などが頻発しています。2013年には,ビハール州で150人以上の武装したマオイストが列車を襲撃し,警察官や乗客を殺害したほか,ジャールカンド州やオディシャ州でも治安部隊を襲撃して多数の死傷者が発生しました。2017年にも,治安部隊への襲撃や交通・通信施設といったインフラ破壊活動等,マオイストによる事件が発生しています。

(ウ)チャッティースガル州においては,州政府が特に外国人旅行者に対し,マオイストの影響が強い地域には立ち入らないよう勧告を発出しています。2017年4月には,スクマ地区において,マオイスト待ち伏せ攻撃により,治安部隊員25名が死亡する事件が発生しています。

(エ)マハーラーシュトラ州東部地域のチャッティースガル州との州境にあたるガドチロリ県,ゴンデア県,チャンドラプル県においては,マオイストにより治安部隊が襲撃される事件等が発生しています。

(5)上記(1)〜(4)以外のインド全域 

レベル1:十分注意してください。

(ア)テロ事件はインド各地で発生しており,その脅威は常に存在しています。また,デリー,コルカタ,チェンナイ,ムンバイ,ベンガルール等の大都市においては特に注意が必要です。テロ攻撃の対象は,いわゆるソフト・ターゲットである比較的警戒の緩い宗教施設や商業地区等にも広がっており,外国人がよく利用する場所も含まれるため注意が必要です。

これらの地域で発生した主なテロ等は以下のとおりです。

○ムンバイ:2008年11月,市内のホテル,レストラン,駅等十数か所で,無差別銃撃や手榴弾による連続テロ事件が発生し,日本人2人をはじめとする外国人を含む165人が死亡,304人が負傷。テロリスト・グループはホテル2か所やユダヤ人施設を占拠し,人質多数を取って長時間立てこもり,事件は3日間続いた。また,2011年7月,同市内の3カ所において数分間隔で爆発があり,少なくとも27人が死亡,約130人が負傷。

○マハーラーシュトラ州プネ:2010年2月,外国人もよく利用する市内のカフェで爆弾テロが発生し,外国人4人を含む17人が死亡,外国人12人を含む60人以上が負傷。また,2012年8月には,市内で小規模な爆発が相次ぎ,1人が負傷。

○ウッタル・プラデシュ州バラナシ:2010年12月,ガンジス川岸での宗教儀式の最中に爆発テロが発生し,2人が死亡,日本人2人を含む少なくとも37人が負傷。

○デリー:2011年9月,デリー高等裁判所前で爆破テロが発生し,15人が死亡,約70人が負傷。

アンドラ・プラデシュ州(当時)ハイデラバード近郊:2013年2月,連続爆弾テロが発生し,16人が死亡,117人が負傷。

○ビハール州ブッダガヤ:2013年7月,マハボディ寺院敷地内において,爆弾10発が爆発する爆弾テロが発生し,2人が負傷。

○ビハール州パトナ:2013年10月,パトナ駅及びガンディー広場において,モディ次期首相候補(当時)の演説予定時間の数時間前に,イスラム過激派インディアン・ムジャヒディンが仕掛けたとみられる爆弾8発が爆発する爆弾テロが発生し,6人が死亡,約100人が負傷。

○タミル・ナド州チェンナイ:2014年5月,チェンナイ中央駅に停車中の車両に仕掛けられた爆弾2個が爆発し,1人が死亡,14人が負傷。

○カルナタカ州ベンガルール:2014年12月,市内レストラン付近で爆弾が爆発し,1人が死亡,3人が負傷。

○ハリヤナ州ロータック:2016年2月,デリーに隣接するハリヤナ州ロータックで発生したジャートコミュニティによるデモが過激化し,ロータック工業団地にある日系企業の工場で暴徒による被害が発生。その際,多数の日本人従業員が州政府・警察の協力で退避。

(イ)西ベンガル州ダージリン丘陵においては,「グルカランド」地域の西ベンガル州からの分離を求める「グルカランド人民解放戦線」が断続的にゼネストを実施しており,旅行者の交通手段に影響が出でいます。

(ウ)アンドラ・プラデシュ州(当時)ハイデラバードにおいては,2012年4月に,ヒンドゥー教徒イスラム教徒の間で数百名規模の対立が発生し,一部が暴徒化して旧市街地を中心に車両放火,投石,店舗襲撃を繰り返したため,夜間外出禁止令が発令されました。また,アンドラ・プラデシュ州では2013年10月初旬にテランガナ地域の分離・独立問題(テランガナ地域は2014年6月2日,同州からテランガナ州として独立)に端を発した大規模なストライキが発生し,一部地域では外出禁止令が出されました。同地では,宗教間対立も含め様々なトラブルが発生しており,今後も住民を巻き込んだ大規模な暴動が発生する可能性は排除できないため,引き続き注意が必要です。

(エ)西部諸州のうちグジャラート,ラジャスタン,パンジャブ各州

インドとパキスタンの陸路による往来は,現在主にパンジャブ州のアターリ国境(パキスタン側はワガー国境と呼ばれ,インド側アムリトサルパキスタン側ラホールの間に位置)で行われていますが,2009年及び2010年にアターリ近郊の村に,ロケット弾数発が打ち込まれたほか,2014年11月には,パキスタン側のワガー国境の駐車場において自爆テロが発生し,少なくとも55人が死亡,100人以上が負傷する事件が発生しました。アターリ国境付近への渡航には十分注意してください。

(オ)南部諸州のうちタミル・ナド州,ケララ州,カルナタカ州の州境森林地帯(トリ・ジャンクション・エリア)

 この地域ではマオイストの活動が認められ,2016年11月にはケララ州内で警察部隊とマオイストが交戦し,マオイスト幹部2名が死亡しました。また2017年9月にはケララ州内でマオイスト幹部が警察に逮捕されました。

3.滞在にあたっての注意

最新の渡航先の治安情勢について,報道,現地関係機関,外務省,在インド日本国大使館,在コルカタ,在ムンバイ,在チェンナイ,在ベンガルールの各日本国総領事館等より最新情報を入手するよう努めてください。

なお,防犯対策や査証に関する情報など渡航に際しての注意事項,主要都市の犯罪傾向等の詳細については,安全対策基礎データをご参照ください。

(1)テロ関連

インドでは,各地において爆弾テロ事件が発生しています。不測の事態に巻き込まれないよう最新の治安情報を収集し,テロの標的となり得る軍関係施設,その他政府の重要施設等危険な場所には近づかない,市場,ショッピング・センター,宗教関連施設等多数の人が集まる場所は極力避け,用事はできるだけ短時間で済ませる,その他日々の行動において一層慎重を期す等の安全対策を講じてください。高級ホテル等外国人が多く集まる場所については,警備状況に注意し,混雑する時間帯を避けるなどの安全対策を心掛けてください。公共交通機関の利用や繁華街への外出に際しては,不審車両や不審物の有無等周囲の状況に注意を払うよう心掛けてください。更に,テロ事件に遭遇した場合の対応を再点検し,状況に応じて適切な安全対策を講じてください。

また,「スポット情報」や,パンフレット「海外旅行のテロ・誘拐対策」「海外へ進出する日本人・企業のための爆弾テロ対策Q&A」(ホームページ:http://www.anzen.mofa.go.jp/pamph/pamph_10.html )もご参照ください。

(2)一般犯罪関連

デリー,ムンバイ等の大都市をはじめ,アグラ,ジャイプル,バラナシ,ブッダガヤ,コルカタ,チェンナイ,ゴア州などの観光地では,日本人が窃盗,詐欺,睡眠薬強盗,性犯罪等の被害に遭っています。犯行方法は単独犯からグループで行う複数犯,偶発的なものから計画的と思われるものまで多種多様ですので,インドに滞在されている間,気を抜くことなく常に防犯意識を持ち,被害に遭わないようにしてください。

(ア)窃盗,詐欺等

日本人が,スリ,ひったくり,置き引き,車上荒らし等の窃盗,強引な物売り,クレジットカードを使い意図した金額と異なる額を請求される詐欺などの被害に遭うケースが多発しています。また,カバンをカッター等で切り裂かれて金品を盗まれる被害も発生していますので,貴重品等はハードケースに保管するようお勧めします。

タクシーでの被害として,空港や駅に着いた旅行者に,タクシー乗り場以外の場所で運転手が声をかけ,知り合いの旅行業者へ連れて行き法外な値段でツアーに参加させるケース,観光案内をすると言って法外な料金を請求して支払うまで軟禁するケースがあります。また,プリペイド・タクシーでも運転手が追加料金を要求する,あるいは旅行者を悪質な旅行会社に連れて行くケースもあります。対策として,空港や駅などから車で移動する場合は,ホテルのハイヤーを予約する,インド政府観光局に申し込む,現地に受け入れ先がある場合は事前に配車を依頼しておくことをお勧めします。タクシーに乗車する場合,乗車前に料金及び行き先を確認するとともに,料金メーターを使用するよう指示してください。

旅行業者に関連する被害として,インド政府観光局を名乗る偽業者がいるため,オフィスの名称と所在地を事前に十分確認し,不用意に偽のオフィスに誘導されることのないよう注意してください。ツアーに参加する場合は,日本を出発する前に予約することが望ましいですが,仮にインド入国後に日程を組む場合は,宿泊先のホテル等に信頼のおける業者を紹介してもらうことをお勧めします。事前に旅行日程表,見積書を作成させ,契約にサインする前に内容を十分確認するとともに,必ず領収書を受け取ってください。金額に疑問がある場合や,業者が領収書の発行を渋る場合は絶対に契約しないでください。

(イ)睡眠薬強盗による被害

インドでは,日本人旅行者(特に若い単身の旅行者)が睡眠薬強盗の被害に遭い,気を失って病院に運び込まれるケースや,身ぐるみを剥がされた上で路上に放置され警察に助けを求めるケースが2011年以降頻発しています。使用される睡眠薬は非常に強力で,2日程度意識が戻らない場合もあります。親切を装って声を掛けてくる者から飲食物を勧められても,絶対に口にせず,はっきりと断ってください。

(ウ)性犯罪被害

デリー,アグラ,ジャイプル,リシケシュ,ブッダガヤ,コルカタその他インド各地で日本人女性旅行者が性的暴行または未遂被害に遭うケースがあり,場合によっては現金や貴重品を奪われることもあり,女性の一人旅は避けることをお勧めします。また,肌の過度な露出を控え,夜間の単独行動等は決して取らない他,アーユルベーダ等のマッサージ師,宿泊先の従業員,観光ガイド等が男性の場合,個室や車内で2人きりにならないよう細心の注意を払って行動してください。

(3)デモ・暴動等

外出中にデモや暴動などに遭遇した場合には,即座に現場から離脱し,自宅や職場等の安全な場所に移動するなど,事態が沈静化するまで待機してください。また,車両に乗車中であれば迂回措置を講ずるなどの回避行動をとってください。不測の事態が発生した際には,近くにある日本国大使館又は総領事館に連絡してください。

(4)麻薬所持等の犯罪

日本人旅行者がガンジャー(マリファナ),チャラス(ハシシ)等の麻薬類の所持,密輸の容疑で逮捕されるケース,急性麻薬中毒で死亡するケース,また,在インドの日本国大使館・総領事館に対して麻薬の影響で異常な行動をとっている日本人がいるとの通報が行われることもあります。麻薬所持の密告に対する報奨金制度を悪用し,報奨金目当てに麻薬を売った相手を警察に通報する事例も報じられています。麻薬犯罪に対する量刑は重く,所持の場合は罰金に加え2年から20年の懲役刑に処せられることがありますので,麻薬には絶対に手を出さないでください。

(5)海外旅行保険への加入

日本人がインド滞在中に病気にかかったり,事件・事故に巻き込まれて病院を利用したりするケースが多々あります。デリーをはじめ,主要都市の一部の病院では日本と同程度の治療は可能ですが,高度な手術や設備が整った施設への搬送が必要になった場合には,シンガポール,タイ等へ移送ないし日本に帰国して治療する場合があります。万一保険に加入していない場合は,高額な費用を自己負担(前払いを要求されるケースがほとんど)しなければなりません。このため,万一に備え,緊急移送サービス等十分な保障内容の海外旅行保険に加入しておくことをお勧めします。

(6)在留届・たびレジ

 海外渡航の際には万一に備え,家族や友人,職場等に日程や渡航先での連絡先を伝えておくようにしてください。

3か月以上滞在する方は,大使館又は総領事館が緊急時の連絡先を確認できるよう,必ず在留届を提出してください。(https://www.ezairyu.mofa.go.jp/RRnet

3か月未満の旅行や出張などの際には,渡航先の最新安全情報や,緊急時の大使館又は総領事館からの連絡を受け取ることができるよう,外務省海外旅行登録「たびレジ」に登録してください。(https://www.ezairyu.mofa.go.jp/tabireg/

4.隣国のパキスタンバングラデシュ,ネパール,ブータンミャンマー,中国,スリランカについてもそれぞれ危険情報が発出されていますので,参照してください。

(問い合わせ窓口)

○外務省領事サービスセンター

住所:東京都千代田区霞が関2-2-1

電話:(外務省代表)03-3580-3311(内線)2902,2903

(外務省関連課室連絡先)

○領事局海外邦人安全課(テロ・誘拐関連を除く)

(内線)5139

○領事局邦人テロ対策室(テロ・誘拐関連) 

(内線)3047

○外務省海外安全ホームページ

http://www.anzen.mofa.go.jp/ (PC版)

http://www.anzen.mofa.go.jp/sp/index.htmlスマートフォン版)

http://www.anzen.mofa.go.jp/m/mbtop.html (モバイル版)

(現地在外公館連絡先)

○在インド日本国大使館(管轄地域:各総領事館の管轄地域以外)

住所:50-G, Chanakyapuri, New Delhi, India

電話:(市外局番011)2687-6564, 6581〜3/4610-4610

国外からは(国番号91)-11-2687-6581〜3/4610-4610

   ファックス:(市外局番011)2688-5587

国外からは(国番号91)-11-2688-5587

ホームページ http://www.in.emb-japan.go.jp/index-j.html

○在コルカタ日本国総領事館(管轄地域:オディシャ州,西ベンガル州,ビハール州,ジャールカンド州)

住所:55, M.N. Sen Lane, Tollygunge, Kolkata, West Bengal

電話:(市外局番033)2421-1970

国外からは(国番号91)33-2421-1970

   ファックス:(市外局番033)2421-1971

国外からは(国番号91)-33-2421-1971

ホームページ http://www.kolkata.in.emb-japan.go.jp/j/

○在ムンバイ日本国総領事館(管轄地域:グジャラート州,マディヤ・プラデシュ州,チャッティースガル州,マハーラーシュトラ州,ゴア州,ダマン及びディウ並びにダドラ及びナガルハベリの各連邦直轄地)

住所:No.1, M.L. Dahanukar Marg, Cumballa Hill, Mumbai, Maharashtra

電話:(市外局番022)2351-7101〜6

国外からは(国番号91)22-2351-7101〜6

ファックス:(市外局番022)2351-7120

国外からは(国番号91)22-2351-7120

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○在チェンナイ日本国総領事館(管轄地域:アンドラ・プラデシュ州,ケララ州,タミル・ナド州,ポンディシェリー連邦直轄地)

住所:No.12/1, Cenetoph Road, 1st Street, Teynampet, Chennai, Tamil Nadu

電話:(市外局番044)2432-3860〜3

国外からは(国番号91)-44-2432-3860〜3

ファックス:(市外局番044)2432-3859

国外からは(国番号91)-44-2432-3859

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○在ベンガルール日本国総領事館(管轄地域:カルナータカ州)

住所:1st Floor,Prestige Nebula No.8-14,Cubbon Road, Bengaluru, Karnataka

電話:市外局番(080)4064-9999

国外からは(国番号91)-80-4064-9999

ファックス:(市外局番080)4166-0114

国外からは(国番号91)-80-4166-0114

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