サウジアラビアについての危険情報【危険レベル継続】内容更新

我が国外務省は,サウジアラビアの海外安全情報(危険情報)を改訂(危険レベル継続)し,海外安全ホームページに掲載しました。

詳細は以下のリンク先でご確認できます。

(PC)==> http://www.anzen.mofa.go.jp/info/pchazardspecificinfo_2017T091.html

(携帯)==> http://www.anzen.mofa.go.jp/m/mbhazardinfo_2017T091.html

サウジアラビアについての危険情報【危険レベル継続】(内容の更新)

【危険度】

●ジャーザーン州,アシール州,ナジュラーン州,東部州のイエメンとの国境地帯

 レベル3:渡航は止めてください。(渡航中止勧告)(継続)

イラクとの国境地帯

 レベル2:不要不急の渡航は止めてください。(継続)

●上記地域を除く全土

 レベル1:十分注意してください。(継続)

【ポイント】

●ジャーザーン州,アシール州,ナジュラーン州,東部州のイエメンとの国境地帯では,各地でイエメン政府軍を支持するサウジアラビアに対してイエメン反政府勢力ホーシー派からのミサイル攻撃が発生しています。同国境地帯には近づかないでください。

●2017年11月,サウジアラビア政府は,イエメン反政府武装勢力ホーシー派がリヤド国際空港を狙って発射した弾道ミサイルを迎撃した旨発表しました。関連情報の収集に努めてください。

サウジアラビアカタールとの外交関係を断絶しています。同国との国境閉鎖に伴い,サウジアラビアカタール間の陸・海・空路を使った移動は出来ません。

1 概況

(1)サウジアラビアでは,2015年以降,イスラム過激派組織ISIL(イラクとレバントのイスラム国)によるモスクや治安当局に対する自爆テロ・銃撃テロ事件が各地で発生しています。ISIL及びイエメンを主な活動地域とするイスラム過激派組織「アラビア半島アル・カーイダ」(AQAP)が,サウジアラビアにおけるテロ行為を呼び掛けているほか,2015年3月には,イエメンのシーア派反政府勢力ホーシー派(以下「ホーシー派」)も,サウジアラビアがホーシー派の領域に対する空爆を継続するのであれば,サウジアラビア国内で自爆テロを行うなどと警告しました。治安当局はテロリストに対する取締り及び,モスクや政府関連施設等の警備強化を行っていますが,2017年10月7日にはサウジ西部ジッダのサラーム宮殿(王宮)に通じる検問所において王宮警護隊員2名が死亡,3名が負傷するテロ事件が発生しています。

 サウジアラビアでは,引き続き同様のテロ事件が発生する可能性があることに注意してください。

(2)2015年3月以降,ホーシー派に対するサウジアラビア主導連合軍による空爆を交えた戦闘が続いています。これに伴い,サウジアラビアの一部地域及び紅海でイエメン国内からのミサイル攻撃が発生しています。主に軍事基地及び国際空港等の関連インフラ設備を狙った弾道ミサイルが,イエメン国内から飛来しており,サウジアラビア軍は防空システムによる迎撃・破壊も発表しており,これまで主要都市で人的被害は発生してませんが,ミサイル攻撃が継続し,被害が生じる可能性は排除できません。イエメン国境地帯には近づかないようにしてください。特にジャーザーン州への渡航に当たっては,関連情報の収集に努め,その必要性を慎重に判断してください。

(3)また,2017年11月には,サウジアラビア政府がリヤドのキング・ハーリド国際空港を狙って発射した弾道ミサイルを迎撃した旨発表しました。同事件において人的被害の報告はなく,リヤド国際空港は通常どおり機能していますが,サウジアラビアへの渡航にあたっては,関連情報の収集に努めてください。

(4)サウジアラビア当局は,東部州ハフル・アル・バーティン,カフジ地区,北部国境州全域,ジョウフ州イーサーウィーヤ,ヒダイサ地区,タブーク州ハトラ・アンマール,ハキル地区の国境から20kmの範囲内を「立入禁止区域」と宣言し,砂の障壁や立入禁止標識の設置を進めています。違反した場合は,その目的を問わず罰せられる可能性があります。

(5)2017年6月5日,サウジアラビアカタールとの外交関係断絶に伴い,同国との国境を無期限閉鎖すると発表しました。サウジアラビアカタール間の陸・海・空路を使った移動は出来ませんので注意してください。

(6)これまでに,サウジアラビアにおいて日本人・日本権益を直接標的としたテロ事件は確認されていませんが,近年,シリア,チュニジア及びバングラデシュにおいて日本人が殺害されたテロ事件や,英国,フランス,ドイツ,ベルギー,トルコ,インドネシア,フィリピン等,日本人の渡航者が多い国でもテロ事件が多数発生しています。このように,世界の様々な地域でイスラム過激派組織によるテロがみられるほか,これらの主張に影響を受けた者による一匹狼(ローンウルフ)型等のテロが発生しており,昨年11月にISILは,「全ての日本人が標的である」旨の警告を発出したことを踏まえ,日本人,日本権益が標的となり,テロを含む様々な事件の被害に遭うおそれもあります。

 このような情勢を十分に認識して,誘拐,脅迫,テロ等に遭わないよう,また,巻き込まれることがないよう,海外安全情報及び報道等により最新の治安・テロ情勢等の関連情報の入手に努め,日頃から危機管理意識を持つとともに,状況に応じて適切で十分な安全対策を講じるよう心がけてください。

2 地域情勢

(1)ジャーザーン州,アシール州,ナジュラーン州,東部州のイエメンとの国境地帯

 レベル3:渡航は止めてください。(渡航中止勧告)(継続)

 上記ジャーザーン州,アシール州及びナジュラーン州とイエメンとの国境地帯では2015年3月のサウジアラビア空軍等によるホーシー派に対する空爆作戦開始以降,サウジアラビア国境警備隊・陸軍等とホーシー派との間で銃撃・ロケット弾攻撃・ミサイル攻撃の応酬が続いています。

 東部州とイエメンとの国境地帯では,国境を挟んだ銃撃・ロケット弾攻撃・ミサイル攻撃は行われておりませんが,状況次第で不測の事態に発展しかねません。また,東部州と国境を接するイエメン・ハドラマウト県では「アラビア半島アル・カーイダ」(AQAP)の活動がみられ,不安定な情勢が続いているため,国境管理は万全とは言えず,不法密入国及び密輸の摘発が頻発しています。

 つきましては,これら4州のイエメン国境地帯への渡航は,どのような目的であれ止めてください。

(2)イラクとの国境地帯

 レベル2:不要不急の渡航は止めてください。(継続)

 イラクの一部地域では不安定な情勢が続いており,国境管理は万全とは言えません。2015年1月には,北部辺境州アルアル市のイラク国境スワイフ検問所において,イラク側から侵入した武装勢力による襲撃・自爆テロ事件が発生し,治安当局側3人が死亡しました。治安当局側との銃撃戦等により,犯人は全員死亡しました。この事件については,ISILが関与したものと報じられています。  

 つきましては,イラクとの国境地帯への不要不急の渡航は止めてください。渡航・滞在する場合には,在サウジアラビア日本国大使館又は在ジッダ日本国総領事館と緊密な連絡を維持し,最新の治安情勢を注視しつつ,常に周囲の状況に注意を払い,特に夜間の外出は控えるなど,十分な安全対策をとってください。

(3)上記地域を除く全土

レベル1:十分注意してください。(継続)

ア リヤド州

 リヤド州では,2014年に欧米人を標的とするテロ事件が複数発生しました。2017年にもISILと関係を有するテロリストの摘発が続いています。

 ・ 1月,リヤド市ヤスミン地区のアジトを捜索し,テロリスト2名を射殺。

 ・ 3月,リヤド市ラヤン地区のアジトを捜索し,テロリスト1名を射殺。

 ・ 9月,国防省本部に対するテロ計画を企図したテロリスト2名(イエメン人)を逮捕。

 ・ 10月,リヤド市リマル地区,ナマル地区,ハイル地区の3か所を捜索し,テロリスト1名が自爆,1名を射殺,5名を逮捕。

イ 東部州(国境地帯を除く)

 東部州のカティーフ県等の一部地域では,サウジアラビアでは少数派であるイスラムシーア派住民が多数居住しており,2010年頃から始まった「アラブの春」と呼ばれる民衆運動の活発化に伴い,同住民が政府に対する待遇改善等要求するため,抗議行動が治安当局との衝突に発展し,死傷者が出る事案も発生しました。また,2016年1月のサウジアラビア政府によるシーア派聖職者ニムル・アル・ニムル師の死刑執行の発表を受けて,シーア派住民が多数居住する地域において死刑執行に対する抗議デモが発生しました。

 2015年以降,カティーフやダンマーム,アル・アフサーにおいてシーア派モスクや治安要員を標的とする自爆テロや銃撃事件が発生し,2016年7月にもカティーフのシーア派モスク近くで自爆テロ事件が発生しており,一部事件ではISILが犯行声明を発出するなど,シーア派を狙ったと思われる事件が多く発生していますので,シーア派関連施設などには不用意に近づかないなど,自らの安全確保に努めてください。

 2017年5月以降,カティーフ県アワミーヤ地区での再開発事業に伴う老朽化した建物の取り壊しに反対するシーア派過激集団による治安要員に対する銃撃事件が継続的に発生し,一般市民にも死傷者が出ました。当局は,アワミーヤ地区を実質的に封鎖するとともに,治安部隊を増員するなど対策を講じていますが,未だ同事業に反対する集団が治安部隊に対する徹底抗戦を呼び掛けていることから,同地区には近づかないようにしてください。

ウ アシール州,ナジュラーン州のイエメンとの国境地帯以外

 2015年8月にアシール州アブハーの治安部隊施設内にあるモスクにおいて自爆テロが発生し,事件後,「ISILヒジャーズ州」が犯行声明を発出しました。また,10月にナジュラーン州ナジュラーン市ダハザ地区のモスクにおいて自爆テロが発生し,事件後ISILが犯行声明を発出しました。

 また,2016年5月にアシール州ビシャでのISIL関連重要指名手配犯の逮捕(1人逮捕,2人射殺)事案が発生しています。

エ マッカ州,マディーナ州

 2017年には以下の事案が発生しています。

 ・ 1月21日,ジッダのハラザト地区及びナシーム地区のアジトを捜索し,ISILと関係を有するテロリスト2名が自爆,2名(サウジ人男性,パキスタン人女性)を逮捕。

 ・ 10月7日,ジッダにあるサラーム宮殿のセキュリティゲート付近で,男(サウジ人)1名が発砲し,王宮警護隊員2名が死亡,3名が負傷,男は射殺。

オ 上記以外の各州(国境地帯を除く。)

 上記以外の各州については,これまで実際の事件の発生こそ少ないものの,上記に示したサウジアラビアを取り巻く治安情勢に鑑みると,テロの潜在的脅威は引き続き存在している状況にあります。

 これらの地域への渡航に当たっては,自らの安全につき十分注意してください。なお,既に滞在されている方については,在サウジアラビア日本国大使館又は在ジッダ日本国総領事館と緊密な連絡を維持し,最新の治安情勢を注視しつつ,十分な安全対策を講じてください。

3 滞在に当たっての注意

(1)海外渡航の際には万一に備え,家族や友人,職場等に日程や渡航先での連絡先を伝えておくようにしてください。

 3か月以上滞在される方は,在サウジアラビア日本国大使館又は在ジッダ日本国総領事館が緊急時の連絡先を確認できるよう,必ず「在留届」を提出してください。(https://www.ezairyu.mofa.go.jp/RRnet

 3か月未満の旅行や出張などの際には,渡航先の最新の安全情報や,緊急時に在サウジアラビア日本国大使館又は在ジッダ日本国総領事館らの連絡を受け取れることができるよう,外務省海外旅行登録「たびレジ」に登録してください。(https://www.ezairyu.mofa.go.jp/tabireg/

(2)サウジアラビア滞在中は下記(3)注意事項に十分注意して行動し,危険を避けるようにしてください。また,外務省,在サウジアラビア日本国大使館,在ジッダ日本国総領事館,現地関係機関,報道等により,最新の情報を入手するよう努めてください。

(3)渡航者全般向けの注意事項

ア 車両で外出する際には,駐車場所の選定に配慮(人通りの多い場所に駐車する,警備員等監守者の近くに駐車するなど)するとともに,車体の異常の有無(特に車体の下部)について目視による確認を行ってください。

イ 外出する際には,昼間のうちに所用を済ませ,夜間の外出は控えるようにしてください。モスク等宗教施設,ホテルやショッピングモール等多数の人が集まる場所では周囲への警戒を怠らず,事前に非常出口等の場所を確認しておく等,常に不測の事態に備えてください。また,移動経路や時間を変更するなど,行動のパターン化を避けてください。

ウ イスラム教では,金曜日が集団礼拝の日とされており,その機会を利用して,政治的スピーチやデモが行われ,それが大規模化,暴徒化する場合があります。また,その際,モスク等宗教施設やデモ等を狙ったテロや襲撃が行われることもありますので,特に金曜日には不用意に宗教施設等に近づかないようにしてください。

エ 欧米系関係施設及び欧米系の外国人が頻繁に出入りする場所を訪問する際には,施設内外の不審者,不審車両及び不審物の有無等,周囲の状況に気を配り,テロ等不測の事態に巻き込まれないよう自らの安全確保に十分注意を払ってください。

オ 治安当局によるテロ組織のアジト摘発の際に,爆弾が仕掛けられた携帯電話や無線機が押収されていますので,不審物を見かけた際には,近づいたり接触しないようにしてください。

カ コンパウンドの入居者及びコンパウンドを訪問される方は,周囲の状況を確認するとともに,管理者がどのような安全対策を講じているのか確認してください。また,安全対策が不十分と判断される場合には,管理者に対して改善を申し入れるなど,安全確保のために必要な措置を講じてください。

キ 過去にコンパウンドの襲撃や,外国人が自宅とショッピングセンター等との往復時に襲撃される事件が発生したほか,厳重な警備を敷いた米国公館も襲撃されている点も考慮し,事務所や自宅の警備には十分な対策をとってください。

ク 治安当局の取締強化に伴い,テログループとの間で銃撃戦が発生する場合もあり,治安部隊・警察関係者が集結しているような地域には近づかない等,摘発の際の銃撃戦に巻き込まれない注意が必要です。

ケ 交通事故の多発が社会問題となっており,運転中の携帯電話の使用禁止,シートベルトの着用義務化,罰則の強化,減点方式の採用等交通事故抑止の対策を講じています。また,交通事故の主な原因として,信号無視・違法なUターン,速度超過,急停止,運転中の携帯電話使用等による脇見運転となっています。現地で車を運転される方は細心の注意が必要です。

4 なお,隣国(バーレーンイラク,ヨルダン,イエメンなど)の「危険情報」もご参照ください。

(問い合わせ窓口)

○外務省領事サービスセンター

  住所:東京都千代田区霞が関2-2-1

  電話:(代表)03-3580-3311(内線)2902,2903

(外務省関係課室連絡先)

○領事局海外邦人安全課(テロ・誘拐関連を除く)

  (内線)5139

○領事局邦人テロ対策室(テロ・誘拐関連)

  (内線)3047

海外安全ホームページ

  http://www.anzen.mofa.go.jp/ (PC版)

  http://www.anzen.mofa.go.jp/sp/index.htmlスマートフォン版)

  http://m.anzen.mofa.go.jp/mbtop.asp (モバイル版)

(現地公館連絡先)

○在サウジアラビア日本国大使館

  住所:A-11 Diplomatic Quarter, Riyadh, 11491, Saudi Arabia

  電話: (市外局番011) 488-1100

      国外からは(国番号966)11-488-100

  FAX : (市外局番011)488-0189

      国外からは(国番号966)11-488-0189

  ホームページ:http://www.ksa.emb-japan.go.jp/j/index.htm

○在ジッダ日本国総領事館

  住所:No.32 Al-Islam St. Al-Hamra Dist. Jeddah, 21431, Saudi Arabia

  電話: (市外局番012) 667-0676

      国外からは(国番号966)12-667-0676

  FAX : (市外局番012) 667-0373

      国外からは(国番号966)12-667-0373

  ホームページ: http://www.jeddah.ksa.emb-japan.go.jp/j/index.htm