3月5日(日)にタンジェのイビス・タンジェ・シティ・センター内会議室にて安全対策連絡協議会を開催いたしましたので,その結果概要を以下のとおりご連絡します。
モロッコにお住まいの皆様及び旅行者の皆様へ
在モロッコ日本国大使館
1.協議会次第
(1)警備対策官兼副領事挨拶
(2)モロッコにおけるテロ情勢
(3)モロッコの治安情勢
(4)質疑応答・意見交換
2.出席者:7名(日系企業関係者,政府関係者)
3.ダッカ襲撃テロ事件等を踏まえた日系企業を含む邦人の安全対策
(1)2016年7月1日,バングラデシュのダッカ襲撃テロ事件により7名の死亡者及び1名の負傷者の邦人犠牲者が発生した。その後も南スーダンにおける治安情勢の悪化,同年7月14日のニースでのテロ事件及び同年7月15日のトルコでのクーデター未遂事件等様々な事件が発生している。また,テロは中東や北アフリカだけでなく,欧州や東南アジアなど世界各地で発生しており,日本人がテロの標的となったり,テロに巻き込まれる可能性は否定できない。
(2)外国でのテロの発生を防ぐことはできないが,邦人の方々が被害に遭わないようにするため,外務省及び在外公館は様々な情報やノウハウの提供を実施している。しかし,最終的には一人一人が「予防」と(テロ発生時の)「対処」を行うことが必要である。特に,最近のテロは「ソフトターゲット」への攻撃が増え,対応が難しくなっているが,「狙われやすい人,場所,日時」を察知し,危険回避に努めることが重要。「狙われやすい人,場所,日時」を察知するために,外務省は海外安全情報(危険情報,スポット情報及び広域情報)を発信している。在モロッコ日本大使館は領事メールを発信してモロッコのテロ等の治安に関する情報を伝達し,注意喚起を行っている。
(3)爆発や銃撃の被害を最小限に抑える方法
ア.予防措置
(ア)退避ルートを「確認する」。
(イ)隠れられる場所を「確認する」。
(ウ)常に周囲の状況に注意を払い,不審者や不審物を見かけたら「速やかにその場を離れる」。
イ.対処法
(ア)その場に「伏せる」など直ちに低い姿勢をとる。
(イ)頑丈なものの陰に「隠れる」。
(ウ)周囲を確認し,可能であれば,銃撃音等から離れるよう,速やかに,低い姿勢を保ちつつ安全なところに「退避する」。
4.モロッコにおけるテロ情勢
(1)2011年4月にマラケシュで発生したテロ以降,モロッコでテロは発生していない。
(2)2014年11月以降,モロッコはテロに対する警戒を更に強め,空港における監視の強化等によりテロの発生を未然に防止している。
(3)ISILの活動が活発化して以来,モロッコにおいてもISILに賛同するテロ容疑者がほぼ毎月逮捕されている。また,その容疑も戦闘員のリクルート活動等の支援活動だけでなく,火器や爆発物等を使用し,モロッコでテロの実行を計画したものが増加している。本年1月27日にエル・ジャディーダやサレ等で摘発されたテログループからは,軍が使用するような小銃や拳銃等が押収された。
(4)そのため,一見したところ安全に見えるモロッコも常にテロが起こりうるとの認識を持つ必要がある。
5.モロッコの治安情勢
(1)モロッコの犯罪発生件数(第一審取扱裁判件数)は,治安,公共の秩序に反する犯罪(犯罪組織の編成,誘拐,テロ事案等),対人犯罪(故意の殺人,殺人未遂,傷害又は暴力等),対物犯罪(窃盗,強盗,詐欺等)いずれも増加傾向にあり,近年は未成年者による犯罪にも注意が必要。
(2)モロッコにおいても麻薬等の使用や密売は違法(最高で懲役10年,罰金50万ディルハム)であり,麻薬等の犯罪発生件数も増加傾向にある。過去には邦人の被拘禁事例も存在。
(3)日本に比べてモロッコの運転マナーは非常に悪く,モロッコの自動車事故死亡者数は,保有台数比で日本の約21倍に相当するので,運転する方もしない方もともに十分な注意が必要。
(4)モロッコにおける邦人の犯罪被害の発生時期について,ほぼ毎月何らかの被害が発生している状況にあるが,特に,大型連休等の時期等,日本の長期休暇時期に犯罪被害が多く発生する傾向がある。
6.邦人被害の犯罪被害と安全対策
(1)邦人の犯罪被害は,主にマラケシュ,カサブランカ及びラバトで発生しており,スリ,ひったくり,強盗が多い。また,ナイフ等を用いた強盗や周到な準備を行ったとみられる詐欺事件も発生しており,注意が必要。(2013年から2015年までの大使館における被害報告ベース)
(2)安全対策の基本的な心構え
ア.ここは日本ではない。
イ.自分の身は自分で守る。
ウ.予防が最大の危機管理である。
エ.犯罪者の視点で考える。
オ.命だけは守る。
カ.防犯対策の「3ない」は,「目立たない」,「行動を明らかにしない」,「用心を怠らない」
(3)大使館HPに掲載している最近の犯罪被害について,スリ(マラケシュ),ひったくり(カサブランカ),強盗(ワルザザート),訪問詐欺(ラバト),空き巣(ラバト)の被害を紹介。
7.参考
(1)モロッコにおける安全対策(邦人被害事例)
http://www.ma.emb-japan.go.jp/japonais/ryoji_anzentaisaku.htm
(2)安全の手引き
http://www.ma.emb-japan.go.jp/pdf/ryoji/anzen-tebiki-ma.pdf
(了)
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在モロッコ日本国大使館
領事部
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