コンゴ民主共和国の海外安全情報改訂のお知らせ

コンゴ民主共和国の海外安全情報(危険情報)の危険レベルを継続の上、内容の改訂を行いました。

コンゴ民主共和国及びコンゴ共和国にお住まいの皆様及び旅行者の皆様

コンゴ民主共和国日本国大使館

今般、外務省より以下の海外安全情報(危険情報)が発出されましたので、御留意願います。

海外安全ホームページ:海外安全情報URL:

http://www.anzen.mofa.go.jp/info/pchazardspecificinfo_2017T016.html#ad-image-0

在コンゴ(民)大使館

領事班

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危険情報

コンゴ民主共和国

【危険度】

●バ=ズエレ州の中央アフリカ国境地帯,オー=ウエレ州,イトゥリ州,北キブ州,南キブ州

 レベル4:退避してください。渡航は止めてください。(退避勧告)(継続)

●北ウバンギ州の中央アフリカ国境地帯及び南ウバンギ州の中央アフリカ国境地帯

 レベル3:渡航は止めてください。(渡航中止勧告)(継続)

●上記以外の地域

 レベル2:不要不急の渡航は止めてください。(継続)

【ポイント】

●昨年12月にカビラ大統領の任期を巡って抗議行動が発生し,22名が死亡する事態が発生しました。その後,2017年末までに大統領選挙を実施する等の新たな合意が署名され,政治的な緊張は一時的に緩和されている状況にありますが,依然として,不測の事態が発生する可能性は排除されないため,引き続き十分な警戒や注意が必要です。

●危険度レベル4を発出している東部地域などにおいては,反政府勢力による地元住人に対する虐殺,誘拐などの非人道的行為の発生が引き続き報告されているため,渡航は絶対に止めてください。

中央アフリカ国境地帯では,中央アフリカの治安悪化に伴い,同国の難民が5万人以上流入しているほか,旧中央アフリカ政府軍兵士及び元セレカ戦闘員等が越境・潜入しているため,治安情勢は流動的であり,同地域への渡航は中止してください。

☆詳細については,下記の内容をよくお読みください。

1 概況

(1)コンゴ民主共和国では,2016年12月19日に,カビラ大統領の2期目の憲法上の任期が満了したものの,同大統領は「新大統領が職務を開始するまで現職大統領が職務を執る」との同国憲法第70条の規定に基づき,引き続き大統領職に留まりました。これに対し,キンシャサ市内をはじめ国内主要都市で抗議行動が発生し,当局の発表によれば,22名の死亡者が発生する事態となりました。

その後12月31日に,コンゴ・ カトリック司教会議(CENCO)の調停の下,野党プラットフォーム「Rassemblement」をはじめとする主要野党と,与党の大統領多数派(MP)との間で政治合意が署名され,2017年末までに大統領選挙を実施する,カビラ大統領の3選を可能にする憲法の改正は行わない等の点について合意がなされました。政治的緊張は一時的に緩和の方向に向かいつつあるものの, 政治合意が着実に実施されるかどうかは不透明であり,大統領選挙を巡る与野党間の駆け引き,経済状況の悪化等の要素もあり,コンゴ民主共和国情勢については,不測の事態が発生する可能性が排除されず,引き続き十分な警戒や注意が必要です。

(2)東部地域に関しては,2012年4月,北キブ州で反政府武装勢力「3月23日運動(M23)」が蜂起,武力活動を開始し,同年11月には北キブ州ゴマ市に侵攻し,一時占拠(12月に撤退)する事案が発生しましたが,その後,コンゴ民主共和国政府軍(FARDC)の改革と国連介入旅団の派兵等の軍事的政策が功を奏し,2013年11月,M23は軍事的に敗退し,東部支配地域から排除されました。

 現在,東部地域では,主に対ウガンダ反政府武装勢力(ADF)や対ルワンダ反政府武装勢力(FDLR)などによるといわれる大量虐殺,誘拐等が多発しており,これら武装勢力に対する軍事作戦が行われていますが,2014年の10月上旬以降,ADFと見られる武装勢力による北キブ州ベニ地域の村落に対する襲撃が連続的に発生し,これまでに住民ら約1000人が死亡する等,大きな被害が発生しています。その他の地域でも大小様々な武装勢力が割拠している状況に変化はなく,依然予断を許さない状況が続いています。

(3)近年,シリアやチュニジアにおける日本人が殺害されたテロ事件や,パリでの同時多発テロ事件などが発生しています。このように,世界の様々な地域でイスラム過激派組織によるテロがみられるほか,これらの主張に影響を受けた者による一匹狼(ローンウルフ)型等のテロが発生しており,日本人・日本権益が標的となり,テロを含む様々な事件の被害に遭うおそれもあります。このような情勢を十分に認識して,誘拐,脅迫,テロ等に遭わないよう,また,巻き込まれることがないよう,海外安全情報及び報道等により最新の治安・テロ情勢等の関連情報の入手に努め,日頃から危機管理意識を持つとともに,状況に応じて適切で十分な安全対策を講じるよう心がけてください。

2 地域情勢

(1)バ=ズエレ州の中央アフリカ国境地帯,オー=ウエレ州,イトゥリ州,北キブ州,南キブ州

 レベル4:退避してください。渡航は止めてください。(退避勧告)(継続)

ア これらの地域では,ADF,FDLR,キリスト教系の対ウガンダ反政府武装勢力(LRA),FRPI(イツリ愛国抵抗戦線),民兵組織マイマイ等による地元住民に対する非人道的行為が引き続き報告されており,各組織に対する掃討作戦が行われています。

イ 北キブ州では,2012年4月からルチュル地区を基盤にM23が反政府武装活動を展開していましたが,掃討作戦の結果,2013年11月に排除されました。しかし,同州では,依然としてADFやFDLR,マイマイ等数多くの武装集団が武装活動を行っており,2014年10月上旬以降,ADFと見られる武装集団が北キブ州ベニ市周辺地域を数回にわたり襲撃し,累計で住民ら約1000人が死亡する等の被害が発生しています。また,これに対する政府,国連コンゴ民主共和国安定化ミッション(MONUSCO)の対応に不満を有する住民による抗議デモも複数回発生する等,依然予断を許さない状況が続いています。

ウ 南キブ州では,2012年4月からの東部情勢の不安定化に伴い,FDLR及び民兵組織マイマイらによる武力活動が活発化して死傷者が出る事態となっているほか,2012年には,MONUSCOがFDLRの襲撃から住民を保護できなかったことへの不満から,MONUSCOの兵士11人が民衆から襲撃を受け負傷した事案も発生しています。現在もFDLRやマイマイの活動が活発化しており,コンゴ(民)国軍とMONUSCOによる共同軍事作戦が展開中です。

また,2014年6月には,部族間の対立に起因する虐殺事件も発生しています。

エ ゴマ市とブカブ市については,周辺の退避勧告地域に比べ,治安部隊による警備が厳重なことから,比較的安定している状況にありますが,武装勢力の動向によっては治安が悪化する可能性も否定できません。また,首都キンシャサの政治情勢の推移次第では,デモ・略奪行為等が首都のみならず,地方都市でも発生する危険が存在し,キンシャサで騒じょうが発生した場合には,特に主要野党の支持基盤のゴマ市及びブカブ市で政権反対行動が連鎖的に発生する危険性が高くなりますので,中央政局に連動した両市の情勢には十分に注意を払う必要があります。さらに,ブカブ市については,隣国ブルンジの情勢にも注意する必要があります。

オ オー=ウエレ州とバ=ズエレ州では,LRAによる略奪,殺人,誘拐等が継続して行われています。

カ イトゥリ州では,イトゥリ愛国抵抗戦線(FRPI)による略奪,殺人,誘拐等が継続して行われています。

 

ついては,同地域への渡航については,隣接しているウガンダルワンダ及びブルンジからの入国も含めて,どのような目的であれ止めてください。また,現在この地域に滞在している方は直ちに同地域から退避してください。

(2)北ウバンギ州の中央アフリカ国境地帯及び南ウバンギ州の中央アフリカ国境地帯

 レベル3:渡航は止めてください。(渡航中止勧告)(継続)

 北ウバンギ州中央アフリカ国境地帯及び南ウバンギ州中央アフリカ国境地帯では,中央アフリカの治安悪化に伴い,同国の難民が5万人以上流入しているほか,旧中央アフリカ政府軍兵士及び元セレカ戦闘員等が越境・潜入していることから,同地域における治安情勢は非常に流動的であり,予期できない事態が発生する可能性があります。

つきましては,同地域への渡航・滞在はどのような目的であれ止めてください。

(3)上記以外の地域

  レベル2:不要不急の渡航は止めてください。(継続)

ア キンシャサ特別州(キンシャサ市) 

(ア)2015年1月,カビラ大統領の3選に道を拓く選挙法改正を巡り,市民によるデモが発生しました。同デモは,略奪行為を伴う暴力的デモに発展し,多数の死傷者が発生しました(政府発表では死者は27人。)。

 2016年9月には,独立選挙委員会(CENI)への大統領選挙の即時公示と,カビラ大統領へ合憲的な辞職予告を行うべく,野党プラットフォーム「Rassemblement」の呼びかけにより反大統領デモなどが発生し,当局の発表によれば22名の死者を出す事態となりました。また,同年12月にも,カビラ大統領が憲法上の任期満了を迎えたことを受けて,大統領の退陣を求める抗議行動が国内主要都市で発生し,死者を出す事態となりました。

(イ)一般犯罪では,「シェゲ」と呼ばれるストリート・チルドレンによるスリ,ひったくり及び「クルナ」と呼ばれる青年の不良暴力集団による殺人,強盗,恐喝事件が多発しています。その他,短時間誘拐,自動車強盗,偽警察官による路上強盗などが発生しています。2014年11月には,日本人旅行者が,警察官を名乗る数人のグループに車両に押し込められ,走行中の車内でナイフを突きつけられ,多額の現金を強取される被害が発生しており,防犯・安全対策を十分に行う必要があります。

 また,デモや抗議活動等が,暴力を伴う大きな混乱に発展していますので,十分な注意が必要です。

イ チョポ州及びマニエマ州

 同地域は,反政府武装勢力の活動が盛んな地域に隣接しており,今後,同勢力が活動地域を拡大する可能性も否定できません。

ウ オー=カタンガ州,オー=ロマミ州,タンガニーカ州及びルアバラ州

 2013年3月23日,旧カタンガ州北部を根拠とする民兵グループのバカタ・カタンガ(Bakata Katanga)約300人が旧カタンガ州都ルブンバシ市中心部に侵攻し,治安部隊との間で衝突が発生しました。また,2014年に入ってからは,マノノ(Manono),ミツワバ(Mitwaba),プウェト(Pweto)の三都市を結ぶ死の三角地帯と呼ばれている地域で,バカタ・カタンガの活動が活発化し,これまで多数の村落が攻撃されています。その他にも,同州には分離独立を標榜する複数の武装勢力が存在しています。現在では,バンツー系部族とピグミー族との間で土地問題等を巡る対立が激化,相互間の攻撃によって死者も出ており,また,ルブンバシ市は,次期大統領選挙に立候補を表明している元カタンガ州知事カトゥンビ氏の拠点であることから,政治的緊張が継続しています。

エ その他の地域

 現在,比較的安定していますが,強盗,ひったくり,スリ等が発生しています。また,2014年8月以降,旧赤道州で,エボラ出血熱が発生,同州内で流行し,66人の感染疑い患者が確認され,その内,38人がエボラ出血熱と確定されました。流行は次第に沈静化し,11月に,コンゴ民主共和国政府とWHOは,国内のエボラ終息宣言を発表しました。コンゴ民主共和国では,エボラ出血熱以外にも,様々な感染症の発生が見られることから,常に最新の感染症情報を確認し,流行がみられる場合には流行地域への立ち入りは絶対に避けることが肝要です。

 

ついては,上記の地域への不要不急の渡航・滞在は止めてください。渡航・滞在する場合には特別な注意を払うとともに,十分な安全対策をとってください。また,現地の最新の情報の入手に努めるとともに,特に夜間の外出は控えるなど,自身の安全対策に万全を期してください。

3 滞在に当たっての注意事項

 コンゴ民主共和国への渡航・滞在における一般的な注意事項については,安全対策基礎データ(http://www2.anzen.mofa.go.jp/info/pcsafetymeasure.asp?id=103 )も併せてご参照ください。

滞在中は,下記の事項に十分留意して行動し,危険を避けるようにしてください。また,渡航に際しては,あらかじめ,日本国外務省,在コンゴ民主共和国日本国大使館,現地関係機関等から最新の情報を入手するよう努めてください。万一,事件・事故等に巻き込まれた場合には,在コンゴ民主共和国日本国大使館に連絡してください。

(1)海外渡航の際には万一に備え,家族や友人,職場等に日程や渡航先での連絡先を伝えておくようにしてください。3か月以上滞在する方は,大使館又は総領事館が緊急時の連絡先を確認できるよう,必ず在留届を提出してください。(https://www.ezairyu.mofa.go.jp/RRnet

3か月未満の旅行や出張などの際には,渡航先の最新安全情報や,緊急時の大使館又は総領事館からの連絡を受け取ることができるよう,外務省海外旅行登録「たびレジ」に登録してください。(https://www.ezairyu.mofa.go.jp/tabireg/ )

(2)コンゴ民主共和国に入国しようとする場合は,あらかじめ駐日コンゴ民主共和国大使館などで査証を取得しておく必要があります。入国査証は,申請者の居住国で取得しなければなりません。第三国で取得する場合,当該居住国の居住証明が必要となります。居住国以外の国で取得した入国査証は,入国時に無効と判断され,入国を拒否される場合がありますので,ご注意ください。ただし,居住国にコンゴ民主共和国大使館が無い場合,隣接国での取得が認められていますが,事前に当該大使館に確認をお願いします。

(3)空港の入国審査において,入国審査官が正当な理由もなく,別室に連行し,根拠もなく金銭を要求する事案が散見されていますので,こうした被害に遭った場合には,携帯電話を没収される前に,すみやかに在コンゴ民主共和国日本国大使館に連絡してください。そのため,短期滞在であっても,コンゴ民主共和国内において使用可能な携帯電話の持ち込みをお勧めします。

(4)国内の陸路での長距離移動は重大な危険を伴いますので,可能な限り航空機を利用してください。ただし,コンゴ民主共和国の航空会社の航空機は整備状況が必ずしも良好ではなく,しばしば墜落事故が発生していますので,リスクが伴うことに留意してください。鉄道,バス又はタクシーによる長距離移動は重大な危険を伴いますので,絶対に行わないでください。

(5)コンゴ川流域における船舶の利用については,定員超過,過重積載による船舶事故が散見されるほか,過去には外国人を対象とした誘拐事件が発生しています。また,各川岸の都市において,出入国管理局職員による検問を受けて金銭を要求されたり,場合によっては身柄を拘束されるなどのトラブルが発生していますので,船舶による国内移動は極力避けることをお勧めします。なお,キンシャサのンゴビラ港から隣国のコンゴ共和国ブラザビルへの小型船舶による渡航についても,「入国のための書類が足りない」などの言いがかりを付けられて金銭を要求されることがありますので,十分注意してください。

(6)兵士がいる検問所には近寄らないようにしてください(特に大統領府,首相府,大統領公邸,軍施設等)。過去には,深夜,検問所前に車両で迷い込んだ南アフリカ共和国の外交官が兵士に銃撃され負傷する事件が発生しており,また,2014年9月には,外国人カップルが,夜間,大統領府付近を散歩していたところ,規制線を越えてしまったため,兵士に銃を突きつけられ,現金を奪われる被害が発生しています。また,2016年12月以降,大統領選挙をめぐる政治的緊張から,市内ゴンベ地区の大統領府や大統領官邸周辺一帯では,夜間,警察や軍による検問が頻繁に行われています。 

(7)無用なトラブルを回避するためにも,大統領選挙実施の見通しなど,コンゴ民主共和国の政治に関して不用意な言動・議論は慎むようにしてください。

(8)重大な緊急事態が発生し,自主的な国外避難が困難となった場合の緊急避難先は大使公邸又は大使館となっていますので,あらかじめ所在地を確認しておいてください。また,万一に備え食料,飲料水等を備蓄しておく(1週間程度が望ましい)とともに,パスポート,航空券,宿泊費及び当座の生活費のための現金,クレジットカード,貴重品及び衣類等の生活必需品をいつでも持ち出せるよう準備しておくことをお勧めします(スーツケース1個,20キロが目安)。

(9)緊急事態が発生した場合には,空港への道路が遮断されたり,民間航空機が運航を取りやめ,航空機での国外退避が不可能となり,隣国のコンゴ共和国を経由して退避しなければならない場合があります。治安が極度に悪化する兆候がある場合は,退避に備えて予めコンゴ共和国の査証を取得しておくことをお勧めします。また,パスポートの有効期限にも注意し,概ね6か月未満になっている場合には,早めに在コンゴ民主共和国日本国大使館で新規のパスポートを申請することをお勧めします(有効期間1年未満から申請は可能です。)。

4 隣国の南スーダン中央アフリカコンゴ共和国アンゴラザンビアタンザニアブルンジルワンダ及びウガンダにもそれぞれ「危険情報」が発出されていますので併せて留意してください。

(問い合わせ窓口)

○外務省領事サービスセンター

  住所:東京都千代田区霞ヶ関2-2-1

  電話:(代表)03-3580-3311(内線)2902,2903

(外務省関係課室連絡先)

○外務省領事局海外邦人安全課(テロ・誘拐関連を除く)

  電話:(代表)03-3580-3311(内線)5140

○外務省領事局邦人テロ対策室(テロ・誘拐関連)

  電話:(代表)03-3580-3311(内線)3047

○外務省海外安全ホームページ

http://www.anzen.mofa.go.jp/ (PC版)

  http://www.anzen.mofa.go.jp/sp/index.htmlスマートフォン版)

  http://m.anzen.mofa.go.jp/mbtop.asp (モバイル版)

(現地大使館連絡先)

○在コンゴ民主共和国日本国大使館

  住所:372, Avenue Colonel Mondijiba, Concession Immotex, Ngaliema,Kinshasa,Republique Democratique du CONGO

  電話:081-555-4731〜34(代表)

   国外からは(国番号243)81-555-4731〜34

  緊急用電話:081-880-5059

   国外からは(国番号243)81-880-5059

  ホームページ:http://www.rdc.emb-japan.go.jp/