在中国日本大使館からのお知らせ(10〜12月安全情報)

2016年(10−12月)の中国の安全情勢等につき,北京市を中心にまとめましたので,ご参考にして頂ければ幸いです。

2016年(10−12月)海外安全対策情報

2017年1月

【要旨】

社会・治安情勢は比較的安定していますが,窃盗,詐欺が引き続き多く発生しています。特に,貴重品やパスポートの盗難や,携帯電話等を通じた振り込め詐欺に注意が必要です。

【本文】

1.社会・治安情勢

社会全体としては比較的安定していますが,社会に不満を有する人物による事件が発生しています。

本四半期には12月13日の「南京大虐殺記念日」に関連して北京市内でも個人による抗議行動がありましたが,大規模なデモ等は発生していません。今後とも引き続き日中関係に関連する中国国民の対日感情の動向には留意する必要があります。

 

2.一般犯罪・凶悪犯罪等の状況

(1)最近の中国における主な犯罪としては,詐欺,窃盗,住居侵入が挙げられます。10月30日に北京市朝陽区内のショッピングセンターで女性が刃物で突き刺される殺人未遂事件が発生したほか,12月に北京市三里屯地区で中・高校生の集団による恐喝事件が多発し,15人の少年が逮捕される事件がありました。

(2)詐欺については,携帯電話やネットを通じた「振り込め詐欺」の被害が多く,邦人の被害も報告されています。ネットショップや銀行等のサービスを詐称,フィッシングサイトに誘導,裁判所や警察をかたって個人情報の提供を強要する等,手口も多様化しています。

(3)日本人が空港やレストラン,駅,駐車場等で貴重品やパスポートの盗難に遭う窃盗事件は引き続き発生しており,空港,駅,バスターミナル等,人混みの中では特に注意が必要です。また,タクシー内に荷物や貴重品を置いたままで下車した隙に逃げ去られてしまう,置き引き被害も発生しています。特にパスポートの盗難・紛失には十分注意してください。

(4)ATMにおける偽札の出金,タクシーの料金支払い時に100元札を偽札にすり替えられる事案等,偽札での邦人の被害も報告されています。

(5)邦人被害はありませんが,12月21日に北京市昌平区の農産物市場に車輌が突っ込み4人死亡する事故や,12月23日に朝陽区の路上で都市ガスによる火災(人的被害なし)が発生しています。

3.テロ・爆弾事件発生状況

(1)新疆ウイグル自治区では,ここ数年,暴動や無差別殺傷事件など多数の一般市民が犠牲となる事件が発生しています。2016年9月に和田地区皮山県でテロリストの拠点を摘発しようとしたところ,爆発により警官が殉職したとの事案や,12月28日に和田地区カラカシュ(墨玉)県共産党委員会の敷地に4人の暴徒が車で突入し,手製の強力な爆発装置を起爆させ,警官など2名が死亡,3名が負傷する事件が報じられています。新疆ウイグル自治区への渡航・滞在には,引き続き情勢に十分な注意が必要です。(現在,新疆ウイグル自治区及びチベット自治区について,危険情報「レベル1:十分注意してください。」が発出されています。)

(2)その他の地域においても,2014年3月に雲南省昆明市の駅構内で無差別殺傷事件が発生,2015 年9月30日には広西チワン族自治区柳城県において連続爆発事件が発生し10名が死亡する等の事件が発生しており,同種の事件の発生には一定の注意が必要です。

(3)国際的には,7月1日にバングラデシュでの銃撃・人質事件で日本人7名が犠牲になったほか,12月にもベルリン(ドイツ)やイスタンブール(トルコ)等でのテロ事件が発生しており,世界各地で凶悪なテロ事件が発生しています。万一の際の緊急連絡のため,家族や友人,職場等に日程や渡航先での連絡先を伝えておくほか,3か月以上中国に滞在する方は在留届の提出を,3か月以内の渡航をされる方は「たびレジ」の登録をお願いします。

4.誘拐・脅迫事件発生情報

誘拐の主な対象は中国人の富裕層,幼児を含む若年層等であり,外国人を狙った誘拐事件は多くありませんが,かつては,日本人を被害者とする誘拐事件も発生しています。また,「ぼったくりバー」,「違法マッサージ店」などで数十万円を脅し取られる等の被害が多発しています。

5.日本企業の安全に関わる情報

最近では,2012年に発生したような抗議活動に係る日本企業を標的とした破壊活動等は発生していませんが,労働者解雇や契約上のトラブル等を理由に,日本人を含む企業経営者側が労働者側により事務所内に閉じ込められたり,暴力を振るわれる事案も発生しています。

6.健康・生活

(1)大気汚染については,12月に深刻な汚染の発生が増加しました。特に12月16日〜21日頃には北京市をはじめ華北地方の広範囲で大気汚染「赤色警報」が発令され,北京や天津の日本人学校を含む学校の休校や車輌の偶数・奇数規制等,健康上の影響のみならず,生活にも大きな影響を与えました。

(2)感染症関連では,インフルエンザA(H7N9)の感染例が引き続き報告され,特に12月には中国全土で106人が感染し,20人が死亡しています。こまめに手を洗う,生きた鳥を扱う市場や家禽飼育場への立入を避けるなど,予防を心がけて下さい。

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在中国日本国大使館領事部

電話:(国番号86)-(0)10-6532-5964

HP: http://www.cn.emb-japan.go.jp/index_j.htm

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